研究課題/領域番号 |
02225215
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小疇 尚 明治大学, 文学部, 教授 (10061897)
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研究分担者 |
叶内 敦子 明治大学, 文学部, 助手 (50194882)
杉原 重夫 明治大学, 文学部, 教授 (90061978)
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キーワード | 古環境 / 古植生 / 最終氷期 / 示標テフラ / 氷河堆積物 / 気候変化 |
研究概要 |
1.奥羽山脈南部の会津駒ケ岳山頂と鶏頂山枯木沼湿原をボ-リング調査し、ヒラ-型および、シンウォ-ル型サンプラ-で乱されていないボ-リングコアを採取した。また、このコアには何枚かの広域テフラが含まれており、調査地域ので泥炭層の年代決定および対比をより詳細に行うことができるものと思われる。したがって前年度の調査のボ-リングコアと合わせて、最終氷期の約3万年以降の東北地方の古植生の変遷を連続的に明らかにすることができると考えられる。 2.聖岳北方高野付近において、後期更新世に堆積盆地内に形成されたと考えられる沼沢地性の堆積物の調査を行った。この堆積物中には、下位から、Dpm、KーTz、潟町軽石、EPm、ATなどの示標テフラが認められ、これらの示標テフラによって、泥炭質堆積物が最終間氷期後半から最終氷期末にかけての連続した堆積物であることが明確になった。これらの試料について、花粉分析を行ない、後期更新世における中部日本の古植生を復元し気候変化を解明するための作業を継続中である。 3.立山では、昨年度に引き続いて、室堂平周辺一帯で、最終氷期の氷河堆積物の分布と、それを直接覆う立山火山第3期火砕流堆積物、および氷河堆積物に覆われた同火山第2期火砕流堆積物の層序関係を調査した。その結果、氷河堆積物が室堂平と称名川の谷をへだてた大日尾根にも分布していることが明らかになった。これまで知られているより古いと見られる氷河堆積物が新たに発見され、その時代について現在検討中である。
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