研究課題/領域番号 |
02226202
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
大矢 銀一郎 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00006280)
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研究分担者 |
今井 捷三 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (60006244)
西田 靖 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00005315)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 薄膜 / スパッタリング / エピタクシャル成長 / 臨界電流密度 / 点接触ジョセフソン接合 / シャピロ・ステップ / 超伝導デバイス技術 |
研究概要 |
本研究は、酸化物高温超伝導体YBa_2Cu_3O_<7ーδ>のデバイス応用を目指し、その基礎研究として、高品質エピタクシャル薄膜の成長とその特性評価・解明ならびにデバイス化技術の開発研究が目的である。 本年度の成果の概要は以下のようである。 1.YBa_2Cu_3O_<7ーδ>薄膜のエピタクシャル成長に関する研究。 対向タ-ゲット式rfスパッタ法を用いてYBa_2Cu_3O_<7ーδ>薄膜のエピタクシャル成長を行った。この成長時に、四重極型質量分析計(QMS)を用いて、基板へ入射してくる酸素ガスを分析し、これを基に、YBa_2Cu_3O_<7ーδ>薄膜の酸化とエピタクシャル成長を促進する、基板近傍での酸素のイオン化過程を明らかにした。さらに、成膜時に、基板に電圧を印加することで、この過程を制御し、これにより、薄膜のエピタクシャル成長の制御に成功した。 2.マグネトロンスパッタ法によるY系超伝導薄膜の高電流密度化の研究。 単一タ-ゲットを用いたdcマグネトロンスパッタ方式により、Y系酸化物超伝導体の高臨界電流密度をもつ薄膜の最適製作条件を求めた。その結果、これは高転移温度をもつ薄膜を製作する条件で実現されることが分かった。高配向膜の臨界電流密度は極めて大きな異方性をもち、特に、液体窒素温度領域では、それはC軸に平行に印加した磁場に強く依存した。 3.Nb/YBCO点接触ジョセフソン接合のサブミリ波応答に関する研究。 Nb/YBCO点接触接合を構成し、これにサブミリ波を印加し、その応答を調べた。525GHzの電磁波に対し、シャピロ・ステップおよびそのパワ-依存性を測定できた。このパワ-依存性は従来の低温超伝導体マイクロブリッジによるものと類似であった。また、1.287THzの電磁波に対し、1次のシャピロ・ステップも観測できた。
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