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1990 年度 実績報告書

置換固溶法による新しいペロブスカイト系高温超伝導体の設計

研究課題

研究課題/領域番号 02227214
研究機関九州大学

研究代表者

荒井 弘通  九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (10011024)

研究分担者 大瀧 倫卓  九州大学, 応用力学研究所, 助手 (50223847)
町田 正人  九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (70211563)
江口 浩一  九州大学, 総合理学工研究科, 助教授 (00168775)
キーワードYBa_2Cu_3O_<7ーy> / BaCuO_<2.5> / 置換固溶法 / Y_<1ーx>Ba_<2+x>Cu_3O_<7ーy> / 高温超伝導体
研究概要

若干の超伝導転移温度の上昇が認められたと前年度に報告したYBa_2Cu_3O_<7ーy>のCuサイトへのNb置換固溶体をCuに対する置換率(mol分率)x=0.01〜0.05の範囲で調製し、抵抗率および磁化率の温度依存性、ならびに粉末X線回折の測定を行なった。置換率が増加しても抵抗率測定における超伝導転移開始温度T_<Conset>はあまり変化せず、ゼロ抵抗温度T_<Czero>、交流磁化率測定における超伝導転移開始温度T_<Csus>の変化も小さい。粉末X線回折測定から求めた格子定数にも殆ど変化が見られず、他方、x≧0.01ではYBa_2NbO_6に帰属される新たな回折線が現われた。以上の結果からx=0.01がNbのCuサイトへの固溶限界であると思われる。
BaCuO_<2.5>の金属元素組成は組成式Y_<1ーx>Ba_<2+x>Cu_3O_<7ーy>でのx=1に相当し、ヨウ素滴定から得られるCuの平均原子価は約3であるが、BaCuO_<2.5>の単一相は20K程度まで半導体で、交流磁化率測定からも完全反磁性への転移は全く認められなかった。YサイトへのBaの置換率xの増大の伴い各Tcは低下し、x=0.19ではT_<Conset>、T_<Czero>は消失し、交流磁化率測定における完全反磁性への転移幅も極めて小さくなった。この組成域でのX線回折パタ-ンにはBaCuO_2などに帰属される不純物ピ-クが多く見られ、YBCOの回折線強度は減少している。しかし、0.205≦x≦0.22では再び高いT_<Conset>、T_<Czero>、T_<Csus>が認められ、磁化率の転移幅もx=0.0と同程度となった。また、YBCO構造に帰属される回折線の強度が増大し、不純物相ピ-クが減少した。さらにxが増えると超伝導性は再び低下し、x≧0.3では超伝導転移は消失した。報告されている相図ではBaはYサイトに置換せずBaCuO_2を形成するとされているが、x=0.22近傍ではYサイトの置換率の増大にもかかわらずYBCO構造の分率が増大していると考えられ、この組成付近ではYサイトにBaが置換した新たな超伝導相の存在も示唆される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] KOICHI EGUCHI,KIMITAKA KUMA,AND HIROMICHI ARAI: "AN EFFECT OF SUBSTITUTION ON THE SUPERCONDUCTIVE PROPERTY IN PEROVSKITEーLIKE OXIDES" Molecular Crystals and Lizuid crystals. 184. 153-157 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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