研究課題/領域番号 |
02228206
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
河村 武 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20111362)
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研究分担者 |
甲斐 憲次 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50214242)
田瀬 則雄 筑波大学, 地球科学系, 講師 (40133011)
古藤田 一雄 筑波大学, 地球科学系, 教授 (40015540)
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キーワード | 衛星デ-タ / 複雑地形 / 熱収支 / 流域の水収支モデル / アルベド |
研究概要 |
本研究は流域内の複雑な地形および地表面の植生を考慮した広域熱収支・水収支の解析に、衛星デ-タを効果的に援用する手法を確立することを目的としている。流域の水収支の動向は、降水・流出・滲透・蒸発散の過程が大きく関与している。蒸発散の時空間動向は、流域内の熱収支の動向と密接に関わっている。本研究では衛星デ-タから地表面の植生を判定して流域のアルベルドを算定し、これと地上気象観測デ-タ及び地形デ-タの組合せにより、流域内の細かい地形・植生の分布を考慮した広域熱収支の解析によって流域実蒸発量を推定した。 平成元年度には、長野県菅平盆地において、ランドサット衛星が通過した1989年8月21日の観測デ-タを解析した。本年は6月21日と8月24日に菅平盆地で、グランドトル-スとして地上気象観測を実施した。また1990年1月には積雪期の予備観測を実施し、1991年3月4日には積雪期の本観測を行ない、天気状態が好条件の時のデ-タが得られた。 複雑地形地の熱収支にはアルベドの値が重要である。日変化や土壌水分による変化などが得られた。また冬季の積雪におおわれた状態については、非常によい天候条件で観測が行われたので現在解析中であるが、好い結果が得られると期待されている。現在、蒸発散量の計算に必要な諸因子の値が解析によって揃った段階である。これから蒸発散量を計算し、続いて流域の水収支を求めることになる。暖候期について、まずまとめ、次にこれをもとにして寒候期についてまとめる予定である。
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