本研究ではNOAA(米国海洋大気庁)提供のNOAA weekly GVI(Global Vegetation Index)画像を用いて、地球の全陸域を対象とし、グロ-バルな土地被覆モニタリングの可能性を調べた。研究の結果つぎのことがわかった。 1.一年間12カ月分のmonthly GVIデ-タに対しクラスタ-分析を適用することにより、植生の季節変動パタ-ンの相違から土地被覆分類を行うことが可能である。本研究では地球の全陸域を13のカテゴリ-の分類できた。 2.地球の全陸域を1度メッシュでカバ-する既存の土地被覆デ-タを教師として、一年間12カ月分のmonthly GVIデ-タを最尤法分類した結果、氷、熱帯林、ツンドラ、砂漠が90%以上の正解率で、常緑針葉樹林、サバンナが70%以上の正解率で分類できることがわかった。 3.太陽天頂角がGVIデ-タに及ぼす影響の度合をLOWTRAN7を用いて明らかにした。太陽天頂角が90度に近づくに従って、太陽天頂角による影響の補正が難しくなることがわかった。 4.NOAAー9とNOAAー11とでは観測時刻が異なり従って太先天頂角が異なるためNDVI値に変化があることがわかった。また同じNOAAー9でも全陸域のGVIデ-タの年毎のヒストグラムを比較すると明らかに傾向的な変化がある。年毎の土地被覆の変化を抽出するためには先ずこれらのデ-タの変化を補正する必要がある。 今後課題としてつぎのことがあげられる。 1.上記4に述べたように、GVIデ-タを補正し、土地被覆の変化抽出を行う。 2.GVIデ-タ以外にAVHRRチャネルデ-タ、標高デ-タ、緯度情報等を併用した土地被覆モニタリングの可能性を調べる。
|