研究課題/領域番号 |
02228225
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
川口 貞男 国立極地研究所, 教授 (40000153)
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研究分担者 |
滝沢 隆俊 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (00002171)
青木 周司 国立極地研究所, 研究系, 助手 (00183129)
神沢 博 国立極地研究所, 資料系, 助手 (20150047)
和田 誠 国立極地研究所, 研究系, 助手 (40132716)
山内 恭 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (00141995)
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キーワード | マイクロ波 / 海氷分布 / 雲分布 / 水蒸気量 / 雲水量 / 氷水量 / 衛星検証 / MOSー1 |
研究概要 |
南極氷海域における雲と海氷の分布・その状態を衛星マイクロ波デ-タから正確に導出するための方法論を確立することを目的とした研究で、申請は単年度毎だがテ-マとしては継続した2年目である。今年度は地上からの観測デ-タの解析を進め、通年の降水量を評価したり、雲水量・氷水量の変化と雲の構造との対応づけを進めると共に、昭和基地受信MOSー1衛星デ-タに関しては、昨年度得られた関係式を多くの軌道のデ-タに適用し、雲水量・水蒸気量の変動幅を調べた。 地上からの垂直レ-ダ(3.0cm帯)観測デ-タから降雪量を求めた。地上で降雪粒子をサンプリング、秤量し、レ-ダ反射強度と降雪量の対応関係を決め、これを使って1988、89年の降水量を評価すると、88年は110mm、89年は400mmと、年々の違いの大きい結果が得られた。 マイクロ波放射計(37GHz)による雲水量とレ-ダによる氷水量の変化を求め、レ-ダエコ-パタ-ンとの比較を行った。昭和基地上空を通過する雲について、雲水量が大きく氷水量の少い低い雲で対流性の構造を示すものがよく見られ、これがNOAA AVHRRで見る低層のベタ雲に対応していた。また、前線、低気圧に伴う背のいく分高いレ-ダエコ-の際には、雲水量よりも氷水量が多い場合が多かった。雲の種類、衛星画像と雲水や氷水量との関係づけの可能性が示唆された。 MOSー1デ-タについては、夏期10パス、冬期3パスのデ-タが処理、入手されたので、これらについて雲水量、水蒸気量の評価を行った。その結果、海上では平均的には水蒸気は1g/cm^2程度、雲水は10mg/cm^2程度であったが、最大の部分では各々2g/cm^2,30mg/cm^2以上という例が数パスに見られ、VTIRで見る反射率の高い、輝度温度の低い雲のバンドに対応していた。この最高値は、マイクロ波輝度温度190K程度で、230Kまでになる海氷情報抽出に際しての限界を示している。
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