研究課題
アズレンはアズレニウムイオン構造を取ることで1位に結合したメチルカチオンを安定化すると期待される。トリフェニルメチルカチオンの三枚のフェニル基をアズレン環で置換したトリ(1ーアズレニル)メチルカチオン(1__ー)には、大きな安定性を期待することができる。また二枚および一枚のアズレン環で置換したジ(1ーアズレニル)フェニルメチルカチオン(2__ー)および1ーアズレニルジフェニルメチルカチオン(3__ー)を含めメチルカチオンのアズレン環による安定化も試みた。合成は対応するヒドロ体のDDQによる酸化により収率良く行うことができた。更にアズレン環にtーブチル基を置換することにより電子的および立体的にも安定化を受けた超安定カルボカチオンを合成することが出来た。それらの安定性はpK_R+値を測定し比較したが,tーブチル置換体の14.3という値はこれまでの最高の値を示している。また1__ー〜3__ーは分子プロペラを形成しており、その相関回転は配座異性体を温度可変NMRスペクトルによって観測し、フリップメカニズムを用いて解析し、それらの熱力学的パラメ-タ-を求めた。
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