研究概要 |
1.研究の目的…ショットキ-障壁型赤外センサ-の長波長化を目的にした、Silicide/pーSiGe接合に対するgermanideの影響を除去するために、PtとSiの同時蒸着によるPtSiの低温形成について検討した。 2.本年度の研究実験…蒸着速度比Pt/Si=1/1とし、基板温度を80,200,350℃と変えてX線、RHEED、比抵抗、ショットキ-特性の測定を行った。80℃でも既にPtSiが形成されており、200℃になると[110]方向への配向が始まる。また比抵抗も、Pt/Si=1/1基板温度200℃で堆積した膜は、通常の熱処理による物とほぼ同じであった。蒸着速度比をPt/Si:4/3,1/1,3/4と変えると、Ptが多い場合には充分にPtSiが形成されているにもかかわらず、Siが多い場合にはX線のピ-クは現れず、アモルファスに成っていると考えられる。また、このようなPtSi_xでショットキ-を形成した場合には、熱的安定性が悪かった。これに対してPt/Si=1/1、基板温度200℃でPtSiを形成した場合には、熱的安定性も良く良好なショットキ-が得られた。 しかしながら、ショットキ-特性はPtSi蒸着前の高真空中での基板熱処理温度に敏感で、900℃、20分のthermal cleaningを行うと、良好なショットキ-が得られないという現象が見られた。これについては今後更に検討を行う予定である。
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