大型磁場閉じ込めプラズマ装置におけるプラズマ中不純物イオンと軟X線放射の空間分布の測定のために、<X線光学素子を応用した新しい2次元結像型X線分光器の開発研究>___ーを昨年度に引き続いて行った。多層膜反射鏡を軟X線分光素子として用いる計画なので、多層膜反射鏡の性能評価とプラズマを分光する際の問題点を明らかにする為に、前年度試作した<多層膜軟X線分光器をタンデムミラ-型プラズマ閉じ込め装置ガンマ10に設置し実際にプラズマ分光写真デ-タを収集>___ーした。試用した多層膜反射鏡はNi/Cの組合わせで、層対厚さ100A^^°、20層対及び層対厚さ50A^^°、40層対の2種類である。波長20〜80A^^°にわたるプラズマの軟X線スペクトル写真を撮ることができ、多層膜鏡の反射率の計算結果及びマイクロチャンネルプレ-ト(MCP)の軟X線検出効率の特性(前年度測定済)を考慮してプラズマの制動放射スペクトルを解析することにより<プラズマの電子温度を求めることが可能>___ーになった。これは<多層膜軟X線分光器を用いたプラズマ診断の初めての実証>___ーである。この試作分光器の実験により、精度の良い分光を行うためには100A^^°前後の長波長X線の全反射を避ける必要があることも明かになった。以上の結果を生かして<2次元結像型X線分光器としての2結晶型分光系の>___ー入射角範囲を決定し、多層膜鏡の駆動機構及び真空容器を<設計・製作>___ーした。現在、2結晶型分光器に大型チャンネルプレ-トコリメ-タ-とSi基盤の反射鏡を設置して光軸調整が進行中である。 今後は大型多層膜反射鏡を製作し、大型MCP検出器と共に本分光器に組込み分光器の構成を完成させる。更に、テストX線源を用いて分光器の性能評価及び調整を行った後、大型磁場閉じ込めプラズマ装置に接続しプラズマの2次元分光X線像を得る計画である。
|