研究概要 |
高速回転するパルサ-の構造を一般相対論を考慮して求めた。その際、状態方程式としては、BetheJohnson(以下ではBJという)の方程式を2種類(I、およびV)、FriedmanーPandharipande (以下ではFPという)の状態方程式、Pandharipandeの中性子物質のものを使用した。誕生直後の回転中性子星、非一様回転をしていて、誕生後十分時間のたった中性子星は一様回転へと変化していくと考えられるので、回転則としてはその両者を考えた。非一様回転の回転則は十分にわかっていないので、ここではニュ-トン的な極限において比角運動量が一定に近付くように選んだ。 その結果、FPの状態方程式では角速度の上限値がこれまでの計算で得られていたものよりかなり大きくなり、パルサ-の周期の下限値としてO.5ミリ秒がでてくる。観測的にこの周期のものが見いだされた場合に中性子星の密度領域での状態方程式を決定できる。BJの状態方程式に関しては、従来の計算との違いはあまりないといえる。従来のFreiedmanたちの計算法は一般相対論がきいてきた場合に、圧縮性ガスを十分に扱えない可能性のあるもので、重力と回転がつりあうあたりでの平衡状態を求めるのが困難になっていることが考えられる。誕生直後の非一様回転している中性子星の構造も、非一様回転の度合を変えて求めた。この場合には回転軸付近は極めて高速に回転でき、したがってパルスが磁極付近から放射されるとするとO.5ミリ秒より短い周期も可能になる。ただし、現実的には重力波放出に対するセキュラ-不安定を考慮する必要がある。このセキュラ-不安定をニュ-トン的なN=1.5と3のポリトロ-プについて調べた。その結果、m=3,4のモ-ドに対してセ-キュラ-不安定の起きる点での回転角速度は質量放出の起きる角速度に比べて80-90%になっていることが確かめられた。
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