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1991 年度 実績報告書

HIV感染者の産生するJCウイルスの遺伝子構造とPML異常発生との相関

研究課題

研究課題/領域番号 02235215
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

保井 孝太郎  (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学研究部門・副参亊研究員 (90073080)

研究分担者 松田 道行  国立予防衛生研究所, 病理部, 厚生技官 (10199812)
宮本 道子  (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学研究部門, 主亊研究員 (40190821)
キーワードエイズ / PML / JCウィルス / 進行性多巣性白質脳症 / HIV / 制御領域遺伝子 / エンハンサ-
研究概要

AIDS患者には神経系の疾患が多発し深刻な問題となっている。PML(進行性多巣性白質脳症)は、潜伏していたJCウイルス(JCV)が神経系細胞内で増殖することによっておこる脱随疾患である。HIV感染者におけるPMLの発生頻度は極めて高く、またその病像も激しいものとなっている。この原因を明らかにする目的で、PMLで死亡した日本人および米国人AIDS患者脳組織からJCVのDNAを分子クロ-ニングし、その制御領域遺伝子を解析した。その結果、1,PMLから分離されたJCVの制御領域のnt.90(Mad1)より上流の領域が、JCVの神経細胞でのエンハンサ-活性の誘導に重要な働きをしていることがわかった。またnt.60からnt.90(Mad1)の領域にもエンハンサ-エレメントが存在することがわかった。2,末梢血単核細胞、CSF細胞に、JCVDNAが存在していることが明らかになり、血液リンパ系細胞においてJCVが持続または潜伏感染している可能性が示唆された。3,PMLからクロ-ニングされたJCV制御領域は、健康人尿からクロ-ニングされたJCVと比較してDNAの欠失と挿入が起こっており、特にnt.90(Mad1)より上流部域に大きな変異が見られた。AIDSーPML患者脳からは、この領域に異なる変異を持つた複数のクロ-ンがいずれの患者からも得られ、HIV感染にともなって、JCVの制御領域に高率に変異が起こっていることが明らかになった。以上の結果から、HIVの感染増殖によってJCVの制御領域に変異が起こり、神経病原性が変化したウイルスが生じて、PMLが多発するようになる可能性を示したものと考えられ、JCV感染モデル動物を開発して確かめる必要がある。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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