研究概要 |
1.要約 代謝異常,脳変性疾患など遺伝疾患に関わる各種遺伝子のヒト染色体上の座位を決定してきた。コケイン症候群,色素性乾皮症の患者の新しい家族検出と調査,遺伝解析のため細胞株樹立,登録を行った。更に,ダウン症候群,家族性早期発症型アルツハイマ-病の遺伝的背景を知るため,21番染色体の遺伝子解析として,同染色体特異的なcDNAや,酵母人工染色体を用いた巨大DNAクロ-ンのマッピングを行った。 2.結果 重い知能退行をきたすプロクド-シス,テイザックス病などの原因酵素である。プロリダ-ゼ,βーヘキソサミニダ-ゼαサブユニットの遺伝子座位を高精度in situ雑種形成法にて決定,各々19番染色体短腕p13.2と15番染色体長腕qー23ーq24であった。21番染色体のコスミドクロ-ンに続き、今回はcDNA3個を21番染色体q21,q11.2ーq21,及びq22.3に各々局在部位を決定した。また、添田らが酵母人工染色体を用い分融した21番染色体の巨大DNA断片についてPCR装置で増ゆしたYACAluPCR産物(YACーRーI)を21q21ーq22.1部位にアップ。約160Kbの巨大DNAクロ-ンのマ-カとしてその存在領域を示した。これらのマッピングはトリチウムを用いたin situ雑種形成と、今回購入した高感度カメラコントロ-ルユニットとビデオモニタ-を使い、蛍光法による(アイソト-プを用いない)方法を行い比較検討した。今後これらの方法は更に有用となると思われた。
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