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1990 年度 実績報告書

膜電位感受性色素ーCa指示薬一光散乱の組合せによる脳シナプス過程の光学的追跡

研究課題

研究課題/領域番号 02241204
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

神野 耕太郎  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40025630)

研究分担者 酒井 哲郎  東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40153845)
廣田 秋彦  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (50156717)
キーワード膜電位感受性色素 / 光学的測定 / 初期胚 / 脳幹 / シナプス / 述走神経
研究概要

膜電位感受性色素を用いたニュ-ロン活動の多領域同時測定法を鶏胚脳幹に適用することにより、個体発生における脳幹のシナプス機能形成の初期過程を追跡した。
述走神経への電気刺激によって誘発されたニュ-ロン活動を色素の吸光変化として光学的に検出と、その波形を解析することにより、ふ卵6日までの標本では、活動電位に由来する速い光学的シグナルのみが検出されるが、ふ卵7日以降の標本においては、これにつづいて、時間経過の遅い光学的シグナルが現れることを明らかにした。このシグナルは、数百msec以上という長い時間経過を示し、わずか0.1Hzの連続刺激によっても疲労現象がみられるほど疲労し易いという特徴を持ち、低Ca^<2+>液中で消失し、外液中へのMn^<2+>、Cd^<2+>の投与により抑制されることから、シナプス後電位に由来することが明らかにされた。更に、各種のシナプス伝達阻害剤の効果から、ここでみられるシナプスが、グルタミン酸を伝達物質とした興奮性シナプスであることが明らかにした。
このシナプス電位に由来する光学的シグナルは、ふ卵7日後半以降の標本にのみ現れ、それより若い標本では全く検出されないことから、このふ卵7日という時期が脳幹における機能的シナプス形成のcritical period であることが明らかになった。また、シナプス電位由来の光学的シグナルの空間的分布のマッピングから、個体発生の過程において、中枢神経系のシナプスは、散在的に形成されていくのではなく、特定のニュ-ロンのグル-プ,即ち神経核の形をとりながら形成されていくことが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] K.Kamino: "Optical assessment of spatially ordered patterns of neural response to vagal stimulation in the early embryonic chick brainstem." Nenroscience Research. 8. 255-271 (1990)

  • [文献書誌] K.Kamino: "Optical studies of early developing cavdiac and neural activities using voltageーsensitive dyes." Japanese Journal of Physiology. 40. 443-461 (1990)

  • [文献書誌] T.Sakai: "Optical determination of impulse conduction velocity during development of the embryonic chick cervical vagus nenve bundle." Journal of Physiology(London). (1991)

  • [文献書誌] H.Komuro: "Optical evidence for spontaneous electrical actirity in the embryonic chick brain stem revealed by a potentiometric dye." Journal of Physiology(London).

  • [文献書誌] H.Komuro: "Optical detection of postsynaptic potentials evoked by vagal stimulation in the early embryonic chick brain stem slice." Journal of Physiology(London).

  • [文献書誌] Y.MomoseーSato: "Optical mapping of the early development of the response pattern to vagal stimulation in embryonic chick brain stem." Journal of Physiology(London).

  • [文献書誌] 神野 耕太郎: "脳のレセプタ-と運動" 平凡社,東京 永津 俊治,吉田 充男,金沢 一郎,小川 紀雄 編, 242 (1990)

  • [文献書誌] 神野 耕太郎: "脳ー可塑性研究の進歩" 朝倉書書,東京 久保田 競,水野 昇,山本 長三郎 編, 332 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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