研究課題/領域番号 |
02242105
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
岡田 吉美 帝京大学, 理工学部, 教授 (30011703)
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研究分担者 |
町田 泰則 名古屋大学, 理学部, 教授 (80175596)
岩淵 雅樹 京都大学, 理学部, 教授 (30000839)
大野 哮司 北海道大学, 農学部, 教授 (00011726)
山田 康之 京都大学, 農学部, 教授 (50026415)
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キーワード | トランスジェニック植物 / Tiプラスミド / GUS遺伝子マ-カ- / ウイルス抵抗性植物 / プラスミド〓DNA / 相同組換え / イネ / タバコ |
研究概要 |
外来遺伝子を植物細胞の染色体に導入してトランスジェニック植物をうる技術はほゞ確立し、農薬耐性植物、ウイルス抵抗性植物などの有用植物がすでに実用の段階にある。しかし導入された外来遺伝子が生殖過程を通じて何代も先まで安定して保持され、その機能が発現されなければ、種の壁を越える新しい育種法としてのトランスジェニック植物の作出はその意義を失う。このような視点に立って、本研究班は生殖過程を通しての外来遺伝子の安定性、不安定性の分子的基盤を明らかにしようとしている。 この目的のため岡田はタバコモザイクウイルスの弱毒株のゲノムcDNAを導入したトランスジェニックタバコについて、そのウイルス抵抗性を指標にして調べた。その結果、R_0では強いウイルス抵抗性を示したトランスジェニックタバコが、R_2では弱い抵抗性しか示さない例が示された。これは何らかの形で、導入された外来遺伝子の発現効率が生殖過程を通ることによって低下したことを示している。同じような例は、岩淵が行ったGUS遺伝子のトランスジェニックタバコでも観察され、これについては遺伝子レベルの研究が行なわれており、間もなくその原因が明らかにされるであろう。大野は重複配列をもった分断ハイグロマイシン遺伝子を用いて、生殖過程での相同組換え頻度を分析している。町田はトウモロコシの可動DNA因子Acをタバコに導入し、生殖過程を通した場合の遺伝的安定性を解析するために利用するマ-カ-遺伝子を開発中である。本年度は酵母のpSRIプラスミドのDNA組換酵素遺伝子を植物細胞で発現させた時のみGUS遺伝子を発現できる系を開発した。山田はイネのミトコンドリアに存在する4つのプラスミド〓DNAについて分析し、これらがすべてイネの核ゲノムにその相同配列が存在し、進化の過程でDNA配列の転移が起ったことを示唆した。
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