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1990 年度 実績報告書

高度技術文明社会における人間の生存条件

研究課題

研究課題/領域番号 02244107
研究機関東京大学

研究代表者

湯本 昌  東京大学, 医学部(医), 助手 (90009978)

研究分担者 山本 学  東京都立立川短期大学, 食物学部, 教授 (50114707)
木村 孝一  東京理科大学, 理工学部, 教授 (70001039)
キーワード地球環境問題 / アルミニウム / アルツハイマ-病 / 酸性雨 / 有害環境物質 / 人体汚染
研究概要

酸性雨や地球温暖化、オゾン層の破壊などの地球的な規模の環境破壊が急速に進行している。一方、有害な化学物質や廃棄物は生活環境を汚染し、人体に侵入し、生体内の主要な器官でこれらの有害物質の蓄積が進んでいる。地球の環境破壊や、近代産業によって作られた環境汚染物質が、人間の健康や生存に及ぼす影響を予測・解析するのが、この研究の主な目的である。今年度は次の諸点について研究を行なった。
1.酸性雨(地球の酸性化現象)をはじめとする地球の環境破壊が人間の健康に及ぼす影響の予測と解析
酸性雨は、土壌から金属(アルミニウム、水銀、鉛)を溶出させ、これらの物質の人体への汚染の可能性を予測させる。特にアルミニウムは、アルツハイマ-病の患者の脳に、高濃度に蓄積されている。また、飲料水中のアルミニウム含有量が高い地域では、低い地域と比較して、アルツハイマ-病の発病率が有意に高い事が報告されている。
ラットにアルミニウム( ^<26>Al)を注射し、アルミニウムが脳血液関門を通過して、脳内に取り込まれることを、新たに開発した加速器質量分析法で証明した。アルミニウムは、DNAやRNA、リン脂質、蛋白などのりん酸基と結合し、細胞に対して強度の毒性を示す。病変に先立って、アルミニウムが脳内に入り込むという、今回の実験結果は、アルミニウムがアルツハイマ-病が引き起こす可能性を示している。
2.環境有害物質の人体への蓄積(人体汚染)と生体の防御機構
人体の主要な臓器に蓄積された有害な汚染物質(重金属や有機塩素化合物)を測定した。また、有害物質に対する防御機構の役割を果たしている肝臓の機能、特に伊東細胞の機能を研究した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kobayashi K,Yumoto S,Nagai H,Et al.: " ^<26>Al Tracer Experiment by Accelerator Mass Spectrometry and its Application to the Studies for Amyotrophic Lateral Sclerosis and Alzheimer's Disease I." Proceedings of the Japan Academy. 66. 189-192 (1990)

  • [文献書誌] Yumoto S,Itakura Y,Kakimi S,and Ogawa Y: "Observation of Liver Lobules with Silver Impregnation Methods" Cells of the Hepatic Sinusoid. 3. (1991)

  • [文献書誌] Yumoto S,Yokochi T,Kimura K,et al.: "Immunocytochemical Studies of the Proteins in the Lipid Granules of Ito Cells" Cells of the Hepatic Sinusoid. 3. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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