研究概要 |
1.3次元イメ-ジによる融雪流出モデルの作成:流出空間を、大気場、積雪・融雪場、地表・地中流出場からなる多層構造と考え、コントロ-ルボリュ-ムの概念を取り入れ、各層での水分・熱量移流を定式化した。特に、地上観測による積雪、気温、日射、蒸発過程を考慮した物理モデルを水収支、熱収支の面から考えた。各層は、(1)接地層、(2)接雪層、(3)雪表層、(4)積雪層、(5)接地雪層、(6)地表層、(7)地中層、で表される。 2.空間的降水・気温の推定方法:広域的な融雪流出解析において、降水、気温は不可欠の要素である。そこで、対象流域に含まれる3カ所の観測地点のデ-タをもとに線形回帰式を用いて気温の空間的な推定を行った。また、降水は、ティ-セン法により空間的な推定を行った。 3.衛生画像を利用したファジィ推論による流出量の推定:人工衛星NOAAのCH4の輝度より有雪、無雪の抽出し、類似度関数Asに変換する。一方、逐次観測されたデ-タより最新の類似度関数Acを作成し、次式より類似度関数の更新を行った。 Am=(As+ρAc)/(1+ρ) ρ:重み 類似度が、1.0,0.75,0.5,0.25,0.01以上の地域をその類似度での有雪域とし、同一の類似度を有する地域にのみ積雪があると見なして、融雪計算を行った。各々の類似度wiに対して得られた融雪流出量Qiを用い、次のファジィ推論を行い流出量とした。 QA(t)=(ΣwiQi)/(Σwi)
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