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1990 年度 実績報告書

極超短時間分解非線形光散乱スペクトルに現れる溶液のゆらぎ効果に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02245203
研究機関東北大学

研究代表者

藤村 勇一  東北大学, 理学部, 助教授 (90004473)

キーワード時間分解コヒ-レント分光 / コヒ-レント反スト-クスラマン散乱 / 溶液のミクロゆらぎ / 分子間相互作用 / 分子間位相緩和
研究概要

本研究の目的は,溶液のどの様なゆらぎが時間分解非線形コヒ-レントスペクトルに反映されるかをミクロな観点から理論的に明らかにすることであった。フェムト秒からサブピコ秒の時定数であるゆらぎを直接とらえる分光法の一つである時間分解コヒ-レント反スト-クスラマン散乱(CARS)法に着目した。このスペクトルには,二分子のラマン遷移の時間発展が反映される事が明らかになった。この時間分解CARSプロフイルの時定数を二分子間担互作用を取り入れて,その構造を明らかにした。従来の取扱いでは,この特定数は,二つのRaman遷移に現われる位相緩和定数の和であらわされていた。二つの分子は,それぞれ,独立に溶液のゆらぎを感じている事を仮定していた。CARS分光では,二分子の相関を観測しており,これまでの時定数の表式は本質をとらえてないことが明らかとなった。二分子間での直接相互作用を時定数に反映させるために,二分子間相互作用モ-ドを共通熱浴モ-ドと呼び,このモ-ドが存在するときのCARSプロフイルの表式を密度行列法により微視的観点から導出した。この表式には,分子間純粋位相緩和項が新たに生じる事がはじめてこの研究で明らかになった。この分子間純粋位相緩和定数は,二つのラマン遷移に現れるゆらぎ(分子と熱鉄との弾性的相互作用)演算子の差の二乗として表わされる。この分子間純粋位相緩和効果が溶液のCARSプロフイルに実際あらわれている事を,ドイツのKaiserグル-プの行ったピリジン溶液のCARSプロフイルを解析して示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 林 倫年: "Effects of Coherence Transfer between Vibrational Transitions on Ultrashort Timeーresolved Coherent antiーStokes Raman Scattering from Multiーmode Molecales in Ligeeids" Chem Phys.140. 41-50 (1990)

  • [文献書誌] 林 倫年: "Intermolecular Vibrational Coherence Transfer Effects on the Utrashort Timeーresolved Coherent antiーStokes Raman Scaffering froma Molecalar Mixture" J.Opt.Soc.Am.B7. 1653-1664 (1990)

  • [文献書誌] 林倫年: "Mechanism of Intermolecular Dephasing on Timeーresolved antiーStokes Raman Scattering from a Molecular Ensemble" Phys.Rev.A43. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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