地球中心核ー構造と物性ー

1990 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 02246101
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 浜野 洋三 東京大学, 理学部, 教授 (90011709)
• 研究分担者: 大谷 栄治 東北大学, 理学部, 助教授 (60136306) ; 浜口 博之 東北大学, 理学部, 教授 (20004385) ; 島村 英紀 北海道大学, 理学部, 教授 (10011636) ; 深尾 良夫 名古屋大学, 理学部, 教授 (10022708) ; 八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20126189)
• キーワード: 地球中心核 / 海底観測 / 電磁気観測 / 超高圧実験 / 地震観測 / 地球自由振動 / 超音波伝送 / 磁場変動

研究概要

[高圧実験グル-プ] 本年度は地球中心核の状態を実験室内で再現するために燒結ダイヤモンドをアンビル材として用いた新しい超高圧実験技術の開発に力が注がれた。またそれと同時に各種のモデル物質を用いた、下部マントルから核の領域における物質の振る舞いを超硬合金製アンビルを用いた超高圧実験により研究した。消耗品費の大部分はこれら燒結ダイヤモンドアンビル及び超硬合金製アンビルの購入にあてられた。又備品として購入した加熱装置を用いてダイヤモンドアンビルをつかった超高圧高温実験も進められた。
[地震観測グル-プ] 本年度は日本列島アレ-地震観測のために、デ-タ収録システムを購入し、すでに稼働している。現在は得られたデ-タを如何にいかすかの具体的な検討を行っている。また地球自由振動コア敏感モ-ドの検出と解析のために新しいデ-タの解析の方法とその理論について進展があった。
[海底観測グル-プ] 本年度は海底の観測装置と観測船の間でデ-タ通信を行う超音波伝送システムについて検討を行い、最終的に海底用超音波伝送装置2台、船上用通信伝送装置、信号処理のための計算機及びプリンタ-を購入してシステムを構成した。
[電磁気観測グル-プ] 本年度は地磁気デ-タに関しては世界中の観測所の時間平均値を入力してデ-タベ-スの整備を行った。最近数万年の磁場変動に関しても沿岸地域の堆積物試料を用いて古地磁気測定を行った。又、数少ない観測からコアの磁場とその変動に関する情報を得るための新しい解析方法の開発を進めた。

研究成果

• [文献書誌] Akaogi,M.,Yusa,H.,Ito,E.,Yagi,T.,Suito,K.,and Iiyama,T.: "The ZnSiO_3 clinopyroxeneーilemenite transition: heat capacity,enthalpy of transition and phase equilibria." Phys.Chem.Minerals. 17. 17-23 (1990)
• [文献書誌] 八木 健彦,内山 義弘: "CO_2レ-ザ-とダイヤモンドアンビルの組み合わせによる超高圧温実験" 第31回高圧討論会要旨集. 282-283 (1990)
• [文献書誌] 沢本 紘,近藤 忠,松室 昭仁: "MA8型(ダイヤモンド焼結体アンビル)による超高圧発生" 第31回高圧討論会要旨集. 322-323 (1990)
• [文献書誌] Naoki,Suda and Yoshio Fukao: "Structure of the inner core inferred from observations of seismic core modes." Geophys.J.Int.103. 403-413 (1990)
• [文献書誌] Naoki Suda and Yoshio Fukao: "Observation of QuasiーCore Modes:Further Evidence of High Q in The Inner Core." J.Phys.Earth. (1991)
• [文献書誌] 横山 由紀子,須田 直樹: "地球中心核の構造" 科学. 60.