研究概要 |
現在、グラフィックインタ-フェ-スをソフトウェア工学的に容易に実現する方法としては、オブジェクト指向プログラミングがもっともよく使われている。それに対して本研究では、論理指向のアプロ-チを展開する。このアプロ-チは部品間の関係を制約としてとらえ、グラフィカルなレイアウトは論理的な仕様で記述するというものである。以下に、今年度の成果を述べる。 (1)制約論理型言語Tritonの設計 エルブラン領域を対象にした論理型言語を一般化した制約論理型言語Tritonを設計した。Tritonは線形方程式、線形不等式を扱うことができ、変数の領域は実数に拡張されている。これによりレイアウト問題における代数的制約を言語上で宣言的に記述することができた。そして、制約充足は言語処理系に任かせることができるため、部分的な変更を一貫して管理することが可能となった。TritonはProlog,ESP等の論理型言語処理系上で開発されており、移植性がよい。 (2)制約指向グラフィックスの提案 制約指向によるグラフィック構築法にはThingLabに見られるようなオブジェクト指向プログラミングに基づくアプロ-チがあるが、本研究では、制約論理プログラミングによるアプロ-チを展開した。ThingLabと比べると、オブジェクトの定義、属性・制約の継承が論理的に記述でき、セマンティックスも明らかになっている。また、デフォルトはNegation as failureの枠組によって、デフォルト制約として扱っている。
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