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1990 年度 実績報告書

メゾスコピック半導体微小回路における電子波の干渉効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02251101
研究機関筑波大学

研究代表者

落合 勇一  筑波大学, 物質工学系, 講師 (60111366)

研究分担者 石橋 幸治  国際フロンティア研究システム, 量子化素子チーム, 研究員 (30211048)
キーワードメゾスコピック領域 / 電子波干渉 / 量子細線 / 低温磁気抵抗 / 量子輸送現象
研究概要

MBE法で作製したGaAs/AlGaAsシングルヘテロ接合基板を電子ビ-ム露光リソグラフィ、イオンビ-ムエッチング等により加工して、準弾道的伝導域に属する長さ約2μmの細線を作った。そして、これらの細線の低温磁気抵抗等を測定し、SdH振動の振幅解析を行った結果、高磁場と低磁場での2種の緩和時間〓chと〓slの存在が確認された。この2つの〓sは磁場がない時の電気伝導から求まる緩和時間〓tに比べて1ケタから2ケタ小さく,不純物からスペ-サ-層によって隔てられている伝導層をもつGaAs系半導体の特徴がみられ、かつ理論計算とも一致している。
また同時に線幅の異なるいくつかの細線を用意して振幅解析からの〓shと〓slがクロスオ-バ-する磁場B^+_cの実効伝導幅(We)依存性についても調べた。このWeは0.2〜0.8μmの範囲にわたっておりその決定は空〜層の検討により行った。この^+_cでのサイクロトロン半径をr_cとすると、
We=Ar_c
なる比例関係がWeとの間に存在することがわかった。つまりAが6になる磁場B^+_cでその伝導になんらかの変化が起っていることが予想される。現在我々のグル-プではこの変化は細線中の電子波が側壁に沿った伝導路であるエッヂチャネルを形成したことによるものと考えている。完全に弾道的伝導になる場合にはAが2であることが考えられるが、細線中に少数の散乱体を含む準弾導的な場合には当然Aが2以上になることが予想出来る。しかしAの値は、散乱体の数や壁面での散乱の詳細にも依存することが考えられるのでさらに詳しい研究が必要とされる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Ochiai,M.Mituno,M.Kawabe,K.Ishibashi,Y.Aoyagi,K.Gamo and S.Namba: "Shubnikovーde Haas Oscillations in a Narrow GaAs/AlGaAs Wire" Jpn,J.Appl.Phys.29. 4793 (1990)

  • [文献書誌] K.Ishibashi,Y.Aoyagi,S.Namba,Y.Ochiai,M.Kawabe and K.Gamo: "Scattering Time in GaAs/AlGaAs Narrow Wires in the Presence of Magnetic Field" Proc.ICSM90(Berlin). (1991)

  • [文献書誌] Y.Ochiai,K.Ishibashi,M.Mizuno,M.Kawabe,Y.Aoyagi,K.Gamo and S.Namba: "Magnetic Field Dependence of Aperiodic Condnctance Fluctuations in Narrow GaAs/AlGaAs Wires" Proc.Int.Conf.Appl.HighーMag.Fields in Semicond.(1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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