ガングリオシドの構造と免疫源性の系統的再検討

1990 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 02259210
• 研究機関: 岡山大学
• 研究代表者: 保田 立二 岡山大学, 医学部, 教授 (30092357)
• 研究分担者: 渡来 仁 岡山大学, 医学部, 助手 (50175139)
• キーワード: ガングリオシド / 糖脂質 / リポソ-ム / リポ多糖 / 抗原性

研究概要

ガングリオシド特有のシアル酸と骨格中性糖鎖の構造系列との関係における構造と抗原性の系統的な研究をおこなった。ここではモノおよびジシアロガングリオシドを中心にシアル酸としてNーアセチル型のものをもつ分子種のマウスにおける抗原性を検討した。Balb/cマウスにリポソ-ムで免疫し、LILA(liposome immune lysis assay)で抗体を検出する系で調べた。
1.モノシアロガングリオシドのみをリポソ-ムに組み込んだ抗原では抗体の産生はみられないか非常に弱いが、ジまたはトリシアロガングリオシドを組み込んだものでは抗体が検出された。
2.ラフ型LPSであるサルモネラR595株のLPSとガングリオシドとのハイブリッドリポソ-ムではすべての免疫抗原にたいする抗体の産生がみとめられた。
3.抗体の認識抗原の特異性には交差反応の認められるものが多かった。
4.アッセイするリポソ-ム表面とガングリオシドの糖鎖部分の相互作用によりリポソ-ム上の抗原決定基の立体構造が変化することが示唆された。

研究成果

• [文献書誌] Watarai,S.: "Inhibitory effect of liposomes containing sulfatide or cholesterol sulfate on syncytium formation induced by bovine immunodeficiency virusーinfected cells." J.Biochem.108. 507-509 (1990)
• [文献書誌] Kimura,K.: "Location of membraneーbound hapten with different length spacers." Immunology. 69. 323-328 (1990)
• [文献書誌] Odaka,C.: "Analyais of the molecular requirements for T cell recognition and activation by using Iaーcontaining lipid vesicles and stoppedーflow fluorometry." International Immunology. 2. 509-514 (1990)
• [文献書誌] Suzuki,Y.: "Monoclonal antibody specifically directed to sialylα2ー3Galβ1ー4GlcNAc residue in sialylpsragloboside antigen (1V3(NeuAc)nLc4Cer,Type II chain),detected in human gastric carcinoma cells." J.Biochem.
• [文献書誌] 保田 立二: "リポソ-ムと免疫" 油化学.
• [文献書誌] 水落 次男: "糖蛋白質糖鎖由来オリゴ糖プロ-ブライブラリ-を用いた尿路感染症患者由来大腸菌の糖鎖特異的付着性の解析" Bacterial Adherence研究会講演集.
• [文献書誌] 井谷 照: "最新動物細胞実験マニュアル(小田・大石・谷口編)" エル・アイ・シ-, 418 (1990)
• [文献書誌] 保田 立二: "新生化学実験法講座第8巻細胞内情報と細胞応答" 東京化学同人, 420 (1990)