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1990 年度 実績報告書

PEPカルボキシラ-ゼアイソザイム遺伝子のシンク機能発現に伴う発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 02261211
研究機関京都大学

研究代表者

泉井 桂  京都大学, 理学部, 助教授 (20025414)

キーワードC4光合成 / ホスホエノ-ルピルビン酸カルボキシラ-ゼ / トウモロコシ / トランスジェニック植物 / DNA結合タンパク質 / ゲルシフト法
研究概要

植物においてホスホエノ-ルピルビン酸カルボキシラ-ゼ(以下PEPCと略)は多彩な生理的役割をもち,C4植物のトウモロコシでは少くとも3種類のアイソザイムが存在するが、それらのシンク機能の発現に伴ってどのように変化するかは知られていない。発現調節機構を分子レベルで解明するために,今年度はC4光合成に関与するPEPC遺伝子の5'上流域のDNA断片を用いて下記の二種類の実験を行い,有用な知見を得た。
(1)タバコのトランスジェニック植物体を用いる実験。すでにクロ-ン化しているトウモロコシのPEPC遺伝子の転写開始点から上流へ約Ikbおよび4kbまでを含むDNA断片をマ-カ-酵素遺伝子βーグルクロニダ-ゼ)の上流につないだものを調製した。これをタバコの葉由来のプロトプラストに導入して形質転換したのち,個体を再生させた。得られた植物体の各組織についてマ-カ-遺伝子の発現を調べた結果,1kbと4kbではともに葉緑体を含む光合成細胞における遺伝子発現を指令するに充分な情報すなわちプロモ-タ-活性をもつことが分かった。
(2)ゲルシフト法による核由来のDNA結合タンパクの検索。上記の1KbのDNA断井をさらに制限酵素で断片化し,それぞれについて,核タンパクとの結合能を調べた。その結果少なくとも3種類の核タンパク(MNF1,MNF2a,MNF2b)が見出され、それぞれDNAの繰り返し配列に結合することがわかった。これらの結合因子は緑葉や黄化葉にはみとめられたが,茎や根にはみとめられず,組織特異的発現に関与する因子である可能性が示唆された。さらに,MNF2aは光により,むしろ減少する傾向がみとめられ,PEPC遺伝子の光誘導に関係している因子である可能性が示吸された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Yanagisawa: "Multiple interactions between tissueーspecific nuclear proteins and the promoter of the phosphoenolーpyruvate carboxylase gene for C4 photosynthesis in <Zea>___ー <mays>___ー" Mol.Gen.Genet.224. 325-332 (1990)

  • [文献書誌] S.Yanagisawa: "Mapping of nonーmethylated and methylated restriction sites in the promoter region of the maije gone for phosphoenolpyruvate carboxylase involved in the C4 photosynthesis" Agr.Biol.Chem.

  • [文献書誌] 泉井 桂: "C4光合成の炭酸固定酵素とその遺伝子ー構造・調節・進化" 化学と生物. 28. 714-722 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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