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1990 年度 実績報告書

微生物由来がん遺伝子機能抑制物質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02262235
研究機関国立予防衛生研究所

研究代表者

上原 至雅  国立予防衛生研究所, 抗生物質部, 室長 (50160213)

研究分担者 水野 左敏  国立予防衛生研究所, 抗生物質部, 部長 (60072930)
村上 裕子  国立予防衛生研究所, 抗生物質部, 主任研究官 (00142133)
深澤 秀輔  国立予防衛生研究所, 抗生物質部, 研究員 (10218878)
キーワードがん遺伝子 / チロシンキナ-ゼ / ハ-ビマイシン / 抗生物質 / スクリ-ニング / 熱ショック蛋白 / 細胞分化
研究概要

(1)ハ-ビマイシンは<in>___ー <vitro>___ーにおいてvー<src>___ーチロシンキナ-ゼ(p60^<vーsrc>)のSH基に結合し、その活性を不可逆的に阻害する。一方、SH試薬の中には<in>___ー <vitro>___ーでハ-ビマイシンより強くp60^<vーsrc>を失活させるものがあるが、vー<src>___ートランスフォ-ム細胞を正常化する活性はない。このことから、ハ-ビマイシンは細胞内で選択的にチロシンキナ-ゼに作用し、他の酵素への作用は弱いことが考えられたが、新しい簡便なAキナ-ゼ、Cキナ-ゼの活性検出方法を開発しハ-ビマイシンの作用を調べ特異性を明らかにすることでこのことが裏付けられた。
(2)ヒト扁平上皮がんA431細胞など各種細胞においてハ-ビマイシンは70kDaの蛋白質の合成を誘導した。この蛋白質が熱ショック蛋白質hsp72/73であることを特異抗体を用いて明らかにした。SH試薬としての作用がhspの誘導に関与すると考えられるが、今後EGFレセプタ-の細胞内動態および先に報告しているp60^<vーsrc>の分解促進等との関連でhspの働きを明らかにする必要がある。
(3)PC12細胞のNGFによる神経細胞への分化において、チロシン燐酸化の役割を解析する目的でハ-ビマイシンの作用を検討したが、ハ-ビマイシンは分化を阻害せずむしろ促進した。この結果は、ハ-ビマイシンが神経細胞で発現するいわゆる神経タイプのp60^<src>には作用しない可能性を示唆している。
(4)正常細胞の増殖因子要求性を利用したがん遺伝子作用阻害物質の探索法を確立した。細胞を用いる本スクリ-ニング法の導入により、活性化がん遺伝子産物のみならず情報伝達の更に下流の未知のプロセスを阻害する微生物2次代謝産物が得られる可能性がある。そのような場合、細胞増殖に関わるシグナル伝達の機能連鎖の一端を説き明かす有力な武器となることが期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hidesuke Fukazawa: "Effects of herbimycin A and various SHーreagentト on p60^<vーsrc> kinase activity in <vitro>___ー." Biochem.Biophys.Res.Commun.173. 276-282 (1990)

  • [文献書誌] 上原 至雅: "微生物がつくるがん遺伝子作用阻害物質" 生化学. 62. 1374-1379 (1990)

  • [文献書誌] Yuko Murakami: "Induction of hsp72/73 by herbimycin A,an inhibitor of transformation by tyrosine kinase oncogenes." Experimental Cell Research. (1991)

  • [文献書誌] Hidesuke Fukazawa: "Specific inhibitor of cytoplasmic protein tyrosine kinase by herbimycin A." Biochemical Pharmacology. (1991)

  • [文献書誌] Yoshimasa Uehara: "Methods in Enzymology,Vol.201" Academic Press, 10 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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