枯草菌グルコン酸オペロンのリプレッサ-蛋白質の機能構造を解析するにあたって採用した手法は、リプレッサ-蛋白質を結晶化しそのX線解析を行うことと蛋白工学的手法により本蛋白質の機能構造を解析することである。リプレッサ-蛋白質の結晶化はBrennan博士(Oregon Health Sciences University)との共同研究で50ミクロン以下の針状結晶を成長させることに成功したが、さらにX線解析に耐える結晶を得るベく努力をしている。蛋白工学的手法によるリプレッサ-蛋白質の解析による成果を次に箇次書にする。 1.リプレッサ-蛋白質のDNA結合ドメインと推定されている箇所にあるPro^<113>をleuにオゴヌクレオチド指令変異誘起法で変換させたが、本蛋白質のDNA結合能に変化はなかった。 2.リプレッサ-遺伝子にC末からフレ-ムを合わせた欠失を導入するとタンパク質が極度に不安定になるが、C末から8アミノ酸の欠失の場合弱いながらDNA結合能をを保持しているようである。 3.リプレッサ-蛋白質のDNA結合能を失った変異をランダムに導入しその解析をするための系を開発した。この系は、レポ-タ-遺伝子としては<cat>___ーを使用しその発見を<gnt>___ーオペレ-タ支配下におきレプレッサ-のDNA結合能をモニタ-する系であり、変異誘起剤処理したリプレッサ-遺伝子を有するプラスミドをもつ大腸菌をスクリ-ニングすることができ今後の本蛋白質の機能構造の解析に寄与すると思われる。
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