研究課題/領域番号 |
02301017
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大山 正 日本大学, 文理学部, 教授 (50008942)
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研究分担者 |
実森 正子 千葉大学, 文学部, 教授 (80127662)
川崎 恵里子 川村学園女子大学, 文学部, 教授 (80183284)
川嶋 孝 日本大学, 農獣医学部, 教授 (50059359)
御領 謙 千葉大学, 文学部, 教授 (70008960)
鷲見 成正 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (00051285)
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キーワード | 記憶的知覚 / 視空間における異方性 / 表情認知 / 刺激等価性 / 因果関係知覚 |
研究概要 |
知覚心理班では、事物の大きさに関して実際の知覚による評価と記憶による評価間の処理様式の違いについて検討をおこなった。そこではまず、記憶した対象の大きさの評価が知覚対象の大きさの評価と同様にベキ関数に適合する事が明らかになったが、その決定係数が高い値を示した。また、静止している対象についての知覚的大きさと記憶的大きさ間には有意な差が認められた。視空間における異方性の研究では、特に視対象が運動する場合の速度知覚の偏位について検討を行なった。その結果、水平、垂直の各方向の運動知覚の偏位は従来報告されているほど大きくないこと、また、刺激呈示枠の縦横の長さの比の効果が見かけの速度に対応するという知見が得られた。認知心理班では日常場面における文章の読みの過程について検討した。一般的行動に関する知識であるスクリプトを含んだ文章を材料として、読みの時間を測定した。その結果、文頭や段落の始めは読み時間が増大することが確認され、さらに文章理解の過程でこれらの知識を利用した推論が行われていることが明らかになった。顔面表情認知の研究では、表情のカテゴリ-化が顔の「湾曲性・開示性」および「傾斜性」という次元でなされていることが見いだされた。この次元空間上での表情カテゴリ-の布置はSchlosbergが見いだした結果と類似しており、表情認知の意味空間構造を刺激の物理的特性から説明できることを示している。比較行動班では、言語をもつ人間に特有であるとされてきた刺激等価性の形成がインコで可能であるかどうかを検討する目的で色と形を刺激として見本あわせの訓練を行った。その結果、色に比較して形の見本あわせが困難であることが明らかになり、その訓練方法を新たに検討中である。発達心理班では対象の衝突事象に関する因果関係知覚を発達的に検討しているが、特にはね返り係数が低い場合の正面衝突事象について、その自然さを判断させる実験を行った。
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