研究課題/領域番号 |
02301023
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塩原 勉 大阪大学, 人間科学部, 教授 (40107016)
|
研究分担者 |
飯田 剛史 富山大学, 経済学部, 助教授 (10127045)
沼田 健哉 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (20105571)
秋庭 裕 大阪大学, 人間科学部, 助手 (40222533)
橋本 満 大阪大学, 教養部, 助教授 (50110763)
大村 英昭 大阪大学, 教養部, 教授 (30047485)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
キーワード | ネットワーク / 新新宗教 / 真如苑 / 霊能者 / 講 / 在日韓国・朝鮮人 / 京都華僑 / エスニシティ |
研究概要 |
本年度は、昨年度に引き続き調査研究を継続し以下のような成果を得た。 1.宗教ネットワーク調査班のうち、真如苑調査グループでは、同教団の霊能者全員の約800人に対しアンケート調査を実施し、約500票の有効回答を得た。1970年以降の新新宗教ブームのなかで、ひときわ高い信者数の伸びを示す、同教団の魅力の源泉である「接心」を実質的に支える、霊能者についての第一次的な資料を得た。このデータの吟味はいまだ充分でないが、高齢者と若年の信者では、前者が剥奪的な動機を有する傾向があり、後者は剥奪的な入信動機を欠いているという差異が見られる。しかしいずれもが信仰心が深まるにつれ、日常倫理の再構築に向かう傾向が指摘できた。 生駒グループでは、宝山寺の講員に対しアンケート調査を実施し、本山からかなりの程度の自立性をもつ、中高年男性の親睦のネットワークとして特徴付けた。また、宝山寺の定期的参詣者には、講員とは区別される人々が存在し、これらの人々は年齢・性別などの属性において、講員とは著しい違いを示すことが確認できた。 2.エスニック・ネットワーク調査班のうち、在日韓国・朝鮮人調査班では、光山金氏親族会々員に対しアンケート調査を実施した。今日新たに展開する在日韓国・朝鮮人のエスニシティは、伝統的な地縁・血縁の戦略的な再解釈の所産であると理解できるであろう。 華僑調査班では、前年度に得た京都萬福寺普度勝会の調査データを、インフォーマントに対するインタヴューで拡充しながら、京都福建華僑の形成過程を跡づけ、エスニシティの維持のメカニズムを探った。 3.今年度は、宗教・民族という、伝統的な要素がポスト・モダンと言われる今日の状況でいかに再活性化しているのかという視点から、現代日本のネットワーク状況の展望を試みた。
|