研究課題/領域番号 |
02301025
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
高橋 和宏 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (40117718)
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研究分担者 |
渡辺 登 日本学術振興会, 特別研究員 (70191781)
菅谷 よし子 宮城学院女子大学, 人文学部, 助教授 (40162854)
寺田 良一 都留文科大学, 文学部, 助教授 (00163923)
池田 寛二 日本大学, 農獣医学部, 専任講師 (60144622)
大西 康雄 山梨県立女子短期大学, 生活科学科, 専任講師 (40223896)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 地域社会 / 権力構造 / 社会力 / ネットワ-ク / 自己組織過程 |
研究概要 |
地方、地域の時代といわれて久しい。それは地方、地域の新たな自前の近代化の時代のはずだった。しかしその近代化は中央、大都市の従来のそれに倣ったり、そのあおりを受けたままのあがきだったりである。自前の目標を内発的に設定、実現できないのか。かかる自前の近代化を追求するのが社会力である。 近代化は一方、強権政治を情報化政治に変え、他方、住民投票への訴求や見栄え民主主義の横行をもたらした。いずれも実質的な議論を欠く政治と相即的なものである。このような偏向は近代的個人主義の理念に起因すると考えられる。しかしこの理念は科学方法論上の欠陥をも伴っていることを看過してはならない。 近代化は大筋では認めうるものではあるが、かかる理念的、方法論的誤謬を排除し、意義のある社会力を追究したい。したがって、地域社会の有力な声、意見を、個々の立場を尊重したままで、バラバラにではなく様々に結合させつつ、あたかも集光プリズムを通過させるが如くに、全体的に集約するその過程に注目するべきである。それこそが社会力の源泉だ。それは従来の民力、社会力自体を産み出す、より根源的な構造である。 かかる構造が自己組織的に本来の目標に接近できるか、その理論構成を、一般構造型のロジック下、権力構造型と情報構造型を統合する中で行なった。構造分析は、拡大有力者の友人、信頼ネットでの第三者的機能の究明を企図した。具体的デ-タをこの二年間にわたり南陽市で収集させてもらい、そこの社会力の測定と予測を実行した。現状は自前の近代化に遠い中周型であり、近い将来もそうあり続けるだろう。芽生えつつある南陽市の「情熱市民」の今後の奮闘にたいし期待したい。
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