研究課題/領域番号 |
02301033
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研究機関 | (社)部落問題研究所 |
研究代表者 |
杉之原 寿一 部落問題研究所, 理事長 (40030499)
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研究分担者 |
山本 敏貢 部落問題研究所, 研究員 (20183692)
奥山 峰夫 部落問題研究所, 常務理事 (50072707)
梅田 修 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (90111905)
馬原 鉄男 立命館大学, 経済学部, 教授 (90100776)
東上 高志 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00072695)
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キーワード | 部落問題 / 部落差別 / 部落解放運動 / 同和行政 / 同和教育 / 同和対策特別措置法 |
研究概要 |
第2次世界大戦後、部落差別をめぐる状況が大きく変化するなかで、特に部落解放運動、同和行政、同和教育の前進にともなって、部落の現実のなかにさまざまな形で残されていた身分差別の傷あとや、国民の意識のなかに残存していた部落についての誤った考えや偏見は急速に是正され、部落差別は基本的に解消してきている。 しかし他方、1960年以降、同和行政は反動勢力によって分裂と懐柔の支配政策に利用され、それに伴って部落排外主義的な運動路線が急速に台頭するとともに、運動団体の一部幹部と行政当局の癒着が進行し、同和行政をめぐってさまざまな矛盾と混乱が生み出され、不公正・乱脈な同和行政が全国的に拡大していった。 こうした全国的な動向のなかで、戦後の京都市における部落解放運動は、水平社の歴史的伝統を継承するとともに、革新政党や民主団体と連携しながら新たな運動の創造をめざして再建され、理論的にも実践的にも先進的な役割を果たしていった。その結果、京都市では、同和行政や同和教育の分野においても、先駆的な取り組みが行なわれ、全国的にその推進をリ-ドしていった。しかし京都市における部落解放運動、同和行政、同和教育の先進性は、逆に、その矛盾をもまた鋭く露呈させることになった。 こうした京都市における部落解放運動、同和行政、同和教育の成果と同時にその矛盾を正しく総括することは、特別対策から一般対策への移行の問題ともかかわって、真に部落問題の解決を促進する運動・行政・教育のあり方を究明していくうえで重要である。われわれはこの総合研究をさらに継続・補完し、数年後にその成果をとりまとめて刊行する予定である。
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