研究課題/領域番号 |
02301049
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩崎 宏之 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (50087904)
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研究分担者 |
渡辺 英夫 秋田大学, 教育学部, 講師 (20191786)
木下 良 国学院大学, 文学部, 教授 (80078287)
黒崎 千晴 八千代国際大学, 政治経済学部, 教授 (40134176)
今井 雅晴 茨城大学, 人文学部, 教授 (80111350)
志田 諄一 茨城キリスト教大学, 教授 (90118399)
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キーワード | 常総地域 / 常陸の道 / 交通体系 / 交通路 / 近世水運史 |
研究概要 |
本研究は日本史、地理学、考古学など多様な分野の研究者で構成されており、その特性を生かして交通関係史料の収集と実証分析をすすめた。史料調査は茨城県立歴史館、茨城県立図書館、土浦市立博物館などの茨城県内の資料保存機関のほか、静嘉堂文庫、国立史料館、天理図書館、京都大学付属図書館、京都府総合資料館などについて行い、関係史料を収集した。茨城県立歴史館所蔵の長島尉信旧蔵文書には水戸街道を中心とする近世常陸の交通を都市形成との関連で解明するうえでの貴重な文献が含まれており、これらを収集することができた。また国立公文書館所蔵「常陸国絵図」の特別閲覧を申請、調査することができた。「常陸国絵図」は正保絵図は存在せず、元禄・天保両度のもののみであるが、実見してみてきわめて貴重な史料であることが確認された。本研究での収集史料は近世の古文書を主とするが、大量かつ茨城県内の広い領域に散在しており、全体的に把握することが困難なため、資料目録情報のデ-タベ-ス化に着手、そのためパ-ソナル・コンピュ-タを購入、作業の効率化、合理化を図った。また常陸地域の古代から近世初期にいたる詳細な歴史年表である中山信名編纂「常陸編年」のテキスト・デ-タベ-スの作成を進めた。研究代表者、分担者はそれぞれの担当する研究を推進したが、とりわけ常陸国の古代駅路や中世の鎌倉街道など古道のル-ト復元の研究や、利根川・霞ケ浦水系の変化にともなう近世初頭の水運の解明などの研究では、共同研究の成果が挙げられた。また近世から明治期にいたる時期では、幹線道路である水戸街道やその他の地方道の存在形態を解明する史料が発見されており、目下その詳細な分析を進めている。相互の問題関心の交流と研究成果・情報の交換をはかるための研究会を定期的に開催、さらに本研究のより一層の展開をはかるために、シンポジウム「常陸の道」(3月1日、於筑波大学)を開催した。
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