研究分担者 |
大石 学 名城大学, 法学部, 助教授 (10183758)
保立 道久 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (70092327)
池上 裕子 成蹊大学, 文学部, 助教授 (70232171)
木村 茂光 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90134759)
佐藤 和彦 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80013275)
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研究概要 |
近世都市「江戸」の成立過程とその特質を究明するため,中世において流通・商業の拠点となった諸地域と,近世都市江戸の都市的特質をもつと考えられる諸地域を選択し,その研究と調査を行った. 調査地と文献史料との関係が十分でないので,詳細については今後の研究に期待するしかないが,ほぼ次のような諸点を確認できたと考える. (1)中世の市・町場成立の条件として,時宗寺院の存在が深く関係していると考えられる点。これは初年度の伴野荘,次年度の川越・品川,三年度の甲府の研究・調査で確認できた.街道・町場・市・時宗寺院の配置とその関係は,中世都市を究明する上で,重要な鍵となろう。 (2)近世都市江戸の成立を考える時,品川港と浅草の位置づけが重要であること。今回はこの点について意図的に追求してみたが,史料不足もあって十分確定できなかった。中世において品川港がかかえていた供給先はどこか。また,品川港に代って浅草が重要視されるようになるのは何故か。また,浅草の整備と都市江戸の形成との関連など,残された課題は多い。 (3)これは本研究の当初から心配していたことだが,都市の中世から近世への移行は十分解明できなかった。17世紀前半の文献史料の過少性は予想していたよりはなはだしく,とくに城下の移行・形成についての史料は非常に少ない。三年度からは絵図などの調査も行ったが,今後はその方法についても検討していく必要があろう。 以上,研究はその緒をみつけたにすぎないが,基礎的な事実の解明と調査はなしえたと考える。これらの成果を基礎に,研究分担者が各自の責任において研究を進めることが重要である。
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