研究分担者 |
潮見 浩 広島大学, 文学部・文学部長, 研究職教授 (30033476)
春成 秀樹 国立歴史民俗博物館, 研究職教授 (20032708)
新井 英夫 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 研究職生物室長 (00000456)
安藤 孝一 東京国立博物館, 学芸部・考古課・原史室, 研究職原史室長 (60202785)
望月 幹夫 東京国立博物館, 学芸部・考古課, 研究職主任研究官 (60141991)
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研究概要 |
1)前半期古墳の標識遺物の代表的なものの一である肥後・江田船山古墳の出土遺物の全ての図面を作成した。一時期の埋納品との解釈があるがこれを3時期のものと区分し.追葬に伴う副葬品の集合体と考えた。 (東博紀要に掲載予定) 2)出雲・大成古墳の墳形図・周辺地形図を作成した。併せて明治期の盗掘孔を清掃し,石室規模・内部主体の構築法,墓孔の実体の一部を確認するとともに,墳丘の構築状況の一部を検討しえた。 また遺物としては、盗掘時以降の新らしいものもあるが、古墳構築時の土師器片(壺・器台片等),鉄刀片等を採集しえた。 墳丘は一辺40m余の方墳で,丘尾を切断しその土を盛土している。墓壙は南方方向に開口しており、石室構築の石材のみならず遺骼の搬入路として当初から設計してあったものと思われる。同様の構造のものは,当地域の造山古墳,宇都宮市の愛宕塚古墳でも確認している。 堅穴式石室は最下面に小型礫を敷きつめ、その上面に厚さ10cm余の粘土を敷きつめる。その上に木棺が置かれた訳であるが、木棺の構造が割竹型のものであるか、箱型のものであるかは断定し得なかった。石室側壁沿いになだらかなカ-ブをもつ部分があることから考えて、割竹形木棺が置かれていた可能性は大きい。 壁面の一部,床面の礫から赤色顔料が検出された。目下分析中。 石室内空気の採集も調査の目的の一としたが、突如開口したため充分には目的を達成しえたとは思われない。目下分析中である。また石室内から細菌類も採集し目下培養中である。これらの作業に基づいて今後の保存科学の基礎デ-タ-としたい。
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