研究課題/領域番号 |
02301069
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
井上 和子 神田外語大学, 学長 (10052193)
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研究分担者 |
柴谷 方良 神戸大学, 文学部, 教授 (60127371)
奥津 敬一郎 日本女子大学, 文学部, 教授 (40086947)
野元 菊雄 松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (40000400)
村木 正武 独協大学, 外国語学部, 教授 (20052201)
水谷 修 国立国語研究所, 所長 (60088789)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 総合機能文法 / 統語構造 / 語彙構造 / 意味構造 / 語用論 / 談話の展開 / モジュ-ル的文法 / 項構造とtheta grid |
研究概要 |
研究目的:文法の各部門の有機的関連性を基に文法モジュ-ルを設定し、これにたいして機能モジュ-ルが働きかけるシステム「総合機能文法」と日本語教育の相互活性化を目指して、各モジュ-ル間の接点の問題を堀り下げ、次の知見を得た。1.理論的研究:(1)使役、受動、可能、能挌、中間態の各構造にわたるヴォイス現象は、従来前三者を統語論、後二者を語彙論の問題としてきたが、これらは語彙情報である項構造とtheta枠、及びそれらの変更を基礎にした派生過程として小数の共通原理に基づいており、語彙情報を統語構造(Dー構造)に投射する投射原理、語彙的派生と統語的派生の区別、各構造の独立性など、従来の文法理論の基本的仮説に修正が必要であることが明らかになった。(2)ヴォイス構造の認知的基盤を探り、認知過程が文法化される際の機能的原理の作用についての研究の端緒を得た。(3)統語構造と意味構造の接点の問題として、時制によって決定される構造および意味解釈に関し、中間態、条件文、音形を持たない総称的な代名詞の分布を時制を基に分析した。(4)談話構造と統語構造の接点において、情報伝達という機能面と文構造との関わりについて新しい知見を得た。(i)条件文の論理構造と談話の接続の研究(ii)情報伝達機能から見たYesーNo疑問文、その応答詞「そうです」の談話機能(iii)「です」「ます」の談話機能 2.応用研究:(1)日本語教育の基礎語彙の意味分布についてデ-タの集計終了(2)日系二世の談話資料の分析により第二言語としての日本語使用者の談話の特徴を抽出(3)ヴォイスの理論的研究を基に日本語学習者の誤用例を調査し、その特徴として能挌文を中心に、動作主性の低い構文に誤りが集中するという結果を得た。 3.「言語理論と日本語教育の相互活性化」をテ-マに、平成2年、3年にシンポジュウムを開催し予稿集を用意して、日本語学、日本語教育専門家を招き、活発な討議を行った。
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