研究課題/領域番号 |
02301074
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原田 純孝 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (50013016)
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研究分担者 |
安本 典夫 立命館大学, 法学部, 教授 (20066723)
池田 恒男 大阪市立大学, 法学部, 教授 (60092128)
吉田 克己 北海道大学, 法学部, 教授 (20013021)
戒能 通厚 名古屋大学, 法学部, 教授 (00013011)
広渡 清吾 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (60025153)
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キーワード | 土地基本法 / (土地についての)基本理念 / 現代土地所有権 / 土地利用 / 建築の自由 / 都市法制 / 都市計画 / 住宅保障 |
研究概要 |
1 今年度は本共同研究の初年度であるので、研究分担者間の共通の問題意識の確立の作業をかねて、まずわが国における問題状況を、共同討議(とくに最初の2回の全体研究会)を踏まえつつ具体的に分析する作業から着手した。(1)そのひとつは、わが国の土地基本法それ自体の内容、特徴、問題点などを、欧米および台湾・韓国との対比をも意識しつつ概括的に摘出する第一次的な検討作業で、その成果の一端は、別記の書物中に発表されている(9論文を所収)。(2)いまひとつは、同法の制定と関連づけて進められている都市土地立法の動向と特徴を現時点で分析・把握する作業で、別記の雑誌の「特集ー今日の都市政策と土地法制」(7論文を所収)が、その成果の一部である。 2 以後の全体研究会(合宿を含めて他に4回)では、上記の作業をフォロ-し、かつ深めると同時に、他の研究対象国における土地に関する基本理念の形成・確立過程とその到達点を、各国の都市土地法と住宅保障政策の全体的発展過程との相関関係のなかで確認し、それを相互に比較する作業を順次進めてきている。そのため、州や都市ごとの差異が大きい米国については、とくに国単位の研究会も開催した。 3 確認された知見としては、(1)まず「基本理念」を定めてそれを個別の制度に具体化するというプロセスが見られるのは、日本を別とすれば台湾のみで、他の国では具体的な諸制度の展開とあいまって「基本理念」が形成されてきたこと、(2)その際の「副次的理念」のあり方は国によって一様ではないけれども、しばしば住宅保障政策のあり方と強い相関関係をもち、そのことは都市計画や都市開発制度の中にもみてとれること(英、仏、韓国等)、そして、(3)それらのいずれの点でも日本にはかなりの特殊性があること、などがある。
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