研究課題/領域番号 |
02301075
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小野坂 弘 新潟大学, 法学部, 教授 (60018108)
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研究分担者 |
平田 元 三重大学, 人文学部, 助教授 (10208829)
宗岡 嗣郎 久留米大学, 法学部, 助教授
鯰越 溢弘 新潟大学, 法学部, 教授 (80037085)
藤尾 彰 新潟大学, 法学部, 教授 (10018103)
沢登 佳人 新潟大学, 法学部, 教授 (50018818)
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キーワード | 陪審制度 / 参審制度 / 警察 / 検察 / 証拠法 / 上訴制度 / 刑罰論 / コミュニケ-ション理論 |
研究概要 |
再審無罪事件の集績によって、職業裁判官のみによる刑事裁判制度に対する批判から陪審制度への関心が高まっている中で本研究は開始された。その際、研究分担者の討議において本研究の最終目標は、我国にふさわしい陪審制度の導入に向け、具体的な法案を作成することとするが、そのためには、陪審制度それ自体の研究、すなわち歴史的・比較法的研究のみならず、刑事司法全体に与える影響について基礎的な研究を行うことが必要であることが確認された。そこで、本年度は資料の収集に重点を置くと共に、申講時の研究分担者以外の者からも広く意見を聴取し研究の全体的枠組と方向性を探るために、平成2年8月に九州大学において第1回合宿研究会を、同12月に新潟大学において第2回合宿研究会を開催し、研究分担者及びそれ以外の研究者による陪審制度に関する討議を行った。その成果を踏まえ、新潟弁護士会所属の弁護士等の意見をも含めて、「第1次陪審法試案」を作成し、「新潟陪審友の会」から発行、広く批判を抑ぐために関係者に配布した。 しかしながら、陪審制度の導入については、研究者・実務家の中に依然として懐疑論が根強く残っており、それも理由のないことではない。それ故にこそ、基礎的な研究を深め、歴史的・比較法的・実証的にその議論の真偽を明らかにし、批判に甚えうる法案を作成することが必要である。 本年度公刊された成果は僅かであるが、それは基礎的研究の持つ宿命であり、更に合宿研究会を積み重ねることによって将来近いうちに総合的研究の成果を世に問うことができると信じている。尚、今年度の研究会において議論は次第に輪隔を整えて来ており、出版に向けての執筆分担の割り振りも進んでいる。
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