研究課題/領域番号 |
02301083
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済事情・政策学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
溝口 敏行 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60017655)
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研究分担者 |
野島 教之 一橋大学, 経済研究所, 助手 (40017661)
松本 俊郎 岡山大学, 経済学部, 助教授 (70135929)
新谷 正彦 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70069706)
山本 有造 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10047475)
松田 芳郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30002976)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 第2次世界大戦 / 戦時下経済 / 日本経済 / 国民経済計算 / 産業連関表 / 労働統計 / 美濃部洋次文書 / 日本帝国 |
研究概要 |
日本経済の明治以降現在にいたる発展については、数多くの実証研究が発表され、歴史的な研究としてだけでなく、近年の発展途上国の政策立案の参考にされるようにもなっている。この一世紀を越える長期分析が可能となった背景には、この期間についての統計の吟味・加工による統計整備作業が行われたためである。しかし、この期間のうち、1940-55年の15年間についての統計整備は、例外的に不完全のままに残されている。この期間は第2次大戦下の時期と敗戦直後の混乱期にあたる。この研究は、上期期間の前半にあたる1940-45年についての統計の吟味と、関連文書の集収を行ってきた。 対象となった課題は、国民経済計算、産業連関表、労働統計を中心とし、それに関連する農業統計、鉱工業統計、物価統計が吟味された。国民経済計算の吟味の結果、明治以降1940年までの一橋大学による『長期経済統計』の国民総生産と経済企画庁による1955年以降のそれとの結合が可能になった。また、戦時下に「満洲国」で作成されていた国民所得統計が吟味され結果、日本本土、朝鮮、台湾等の旧日本植民地、「満洲国」にわたる「日本帝国」の経済規模も明らかにされた。産業連関表の研究では、戦時下についてのS部門表を推計することによって、戦時経済下での重工業への生産の集中が明らかにされた。同様のことは、「労働動態調査」を利用した戦時下における労働力動員の分析についても見出される。このほか、充分な分析にはいたらなかったが、集収された興味ある統計資料として「日本銀行」、「昭和16年国民生活時間調査」がある。また、美濃部洋次による一連の文書の中には、戦時経済計画についての数値データが含まれていることも明らかになっている。これらについては引続き分析を進める予定である。
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