研究分担者 |
牧 厚志 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20051906)
西山 茂 大阪大学, 社会経済研究所, 助教授 (40218219)
井堀 利宏 大阪大学, 経済学部, 助教授 (40145652)
チャールズ ユージ ホリ 大阪大学, 社会経済研究所, 助教授 (90173632)
伴 金美 大阪大学, 経済学部, 教授 (30027578)
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研究概要 |
1)日経新聞社の土地評価額の全国デ-タ(府県別)を入手し,これをデ-タベ-スとして,マクロ資産評価額の推計を行いこれをベ-スにして,マクロの経済行動(家計消費,民間住宅投資,企業設備投資)における資産効果の計量的分析を行った。87年から90年にかけて増大した資産の支出に与える効果については,個人企業部門の取扱いによって大きな差がでることが分かった。土地所有額がこの部門で多いからである。伴(1991) 2)マクロの家計貯蓄率は長期的にみると,人口の高齢化の進展とともに,今後大幅に低下するものと予測されるが(ホリオカ(1991)),家計の貯蓄行動については,遺産動機の有意性がが現在学会で関心の的になっている。わが国のばあい,遺産動機が年配者の貯蓄/消費行動に大きな影響を持っていることが指摘されているが,一方では,独居高齢者や,老人ホ-ム居住者などをサンプルに入れる場合,高齢化はマクロの貯蓄率を押し下げる大きな要因であることが示されている。 3)企業の資産課税が企業に及ぼす影響は,土地課税にとどまらず,キャピタルゲイン課税一般の問題であり,これは国際的な資本移動に影響を及ぼす。井堀(1991)はこの問題を一般均衡の観点から分析し,資産課税と消費税との間の比較を行った。 4)全国消費実態調査のミクロデ-タベ-スを入手し,これをもとにマクロの統計デ-タとミクロの統計デ-タとの間の整合性のある照合のシステムを作成しておくことは,資産効果の数量的分析の上で,基本的に要請されるものであり,この点については,牧/西山は詳細な作業を進めた。これはデ-タの入手の遅れから本年度内には完成を見なかったが,その中間報告が西山(1991)にまとめられている。
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