研究概要 |
わが国の電気事業について一般電気事業,卸電気事業,自家発電,コジエネレ-ションのそれぞれについて,実地調査・ヒアリング・定期的研究会などを通じ,実証的研究を行った。一般電気事業については,第2次世界大戦以後,九電力体制が形成される過程について,歴史的視点からの分析がなされた。一方現在の電気事業規制については,資源エネルギ-庁からのヒアリングを含め,専門家からの意見聴取により,その実態を把握することに努めた。他方では規制緩和の方向は,法制度における特定供給についてさまざまな討議がなされ,その実現に向っているが,理論的側面の研究を行った。実地調査に関しては,コジエネレ-ションの実態をかなり多方面にわたって見学し,ヒアリングを行うことができた。特にコジエネレ-ションの経済性については,JR,製紙工場,化学工場などさまざまな形で既にそれが実証ずみであることが明らかとなり,今後より広汎にデ-タを集めるべきことが明らかとなった。 経済理論の分析からは,電気事業の規模の経済性について,コスト・デ-タの把握とその数量的分析の方法について討論がなされ,部分的には公表デ-タを用いる分析がなされている。しかし発電・送電・配電という各部分についてまで経済性を実証的に分析するについては,更に大がかりなデ-タの菟集作業の必要なことがわかり,来期においてこれを行うことになった。また来年度はコ-ジエネレ-ションの実地調査地域をより拡大し,平均のとれたサンプルの分布を見ることが必要であると結論された。
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