研究概要 |
本年度は昨年度に蒐集されたデ-タにもとずき,異なる性格を持つ事業所や会社の発電コストについて実証的な数量分析がなされた。これによって電力会社とコストの面でどれほどの乖離があるか,そしてそれが将来の競争についてどのような効果を持つかが検討できる。 一方海外における電力事業の変化はめざましいものがあるので,これを特にDSM(Demand Side Management)に着目し,ヒアリングと調査を行った。アメリカでとられたこの制度を日本にそのまま移入することは難しいが,そのアイディアを生かすことができないかが検討された。またアメリカの発電部門ではますます規制緩和が進み,競争メカニズムの利が実現しようとしている.こうした発電部門の自由化は送配電部門に対してどのようなインパクトを与えることになるのかについて,ヒアリングを行うとともに,法制度・経済理論の両側面から研究を行った。わが国でみれば,コジェネレ-ションの進展が,発電部門の自由化に近い意味あいを持つことが考えられる.しかし現在のところ,コ-ジェネの発展に対する諸規制の存在が,これを簡単には実現させていない。そこでどのような法規制がコ-ジェネを阻んでいるか,そしてそれは経済学的に見ればどのような効果を持つことになるのがについて,分析がなされた。同時に,競争の発展とともに電気料金の構造は変らざるをえず,その基礎をなしている会計的枠組にも変化が求められている.この点について会計学の視点から検討が行われた。
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