研究課題/領域番号 |
02301088
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原 朗 東京大学, 経済学部, 教授 (70012127)
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研究分担者 |
加瀬 和俊 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (20092588)
東条 由紀彦 明治大学, 経営学部, 助教授 (20172124)
平 智之 横浜市立大学, 経営学部, 助教授 (40179396)
金子 文夫 横浜市立大学, 文理学部, 助教授 (80114445)
岡崎 哲二 東京大学, 経済学部, 助教授 (90183029)
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キーワード | 戦時経済 / 経済統制 / 計画化 / 市場 / 国際比較 |
研究概要 |
1.史料調査 史料調査は大蔵省財政史室、三菱重工業、臨雲文庫、東京大学経済学部について実施した。このうち大蔵省では比較的近年公開された『昭和財政史資料』9巻、『愛知文書』、『野田文書』、三菱重工業では旧重工の株主総会・取締役会関係資料他、臨雲文庫では『結城豊太郎関係文書』、東京大学経済学部では『石川一郎関係文書』をそれぞれ調査して細目録を作成、デ-タ・ベ-スとしてパソコンに入力した。このうち三菱重工業資料は従来未公開のもので、戦時期・戦後復興期の財務・労務に関する新しい情報を多く含んでいる。ほかに、統計の利用を容易にするため、『昭和国勢総覧』等によってデ-タのパソコン入力を行った。 2.研究会 資料調査と並行して毎月1回研究会を開催し、次のような報告を受けた。(1)山崎志郎「軍需省『局長会報』について」(7月)、(2)岡崎哲二「日中・太平洋戦争期の三菱重工業」(9月)、(3)平智之「金本位制離脱後の管理通貨制度・ブロック経済下における横浜正金銀行」(同)、(4)山崎志郎「戦時下における協調金融体制の展開」(10月)、(5)寺村泰「貿易委員会について」(11月)、(6)加瀬和俊「戦時生鮮食料品統制史」(11月)、(7)加藤新一「戦時経済統制立案過程の制度史的考察」(同)、(8)東条由紀彦「個人的所有の再建としての社会主義の理念」(同)、(9)原朗「戦時統制経済の国際比較」(1月)、(10)東条由紀彦「1939年の少年職業紹介事業」(2月)、(11)山崎志郎「軍需部門の生産力拡充計画」(同)。このうち、(1)、(2)、(4)、(7)はこのプロジェクトで新たに収集された史料に基づいたものである。これらによって、従来デ-タ不足とされてきた太平洋戦争末期の軍・民需生産、軍需品増産の強い圧力が企業組織に与えた影響、経済の計画化を可能にした戦時経済行政機構の形成過程等が明らかにされた。
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