研究課題/領域番号 |
02301091
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
疋田 康行 立教大学, 経済学部, 助教授 (70147924)
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研究分担者 |
花井 俊介 財団法人三井文庫, 研究員 (70212149)
鈴木 邦夫 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (50132783)
小林 英夫 駒沢大学, 経済学部, 教授 (80052546)
倉沢 愛子 摂南大学, 国際言語文化学部, 教授 (00203274)
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キーワード | 戦時経済 / 太平洋戦争 / 企業進出 / 物資動員 / 資金統制 / 東南アジア / 南方 |
研究概要 |
本研究は、戦時日本経済研究の一環として、いわゆる南方地域に対する日本の経済支配を、物資動員・財政金融統制・企業進出の3側面を中心に、開戦前からの日本の経済進出と当該地域の複雑な民族状況および軍事政治支配の実態を踏まえつつ、総合的に解明しようとするものである。本年度は計画の第一年度であり、主として国内にある資料の収集と海外にある資料の調査を行なった。国内の資料については、調査済みの外交史料館所蔵文書の収集と整理がほゞ完了し、個別文書単位の資料デ-タ・ベ-スを構築した。また、関西方面の資料収集では、京都大学東南アジア研究センタ-を中心に実施し、多数の文献資料を入手したが、同時に政府・企業関係の一次資料は乏しいことも確認できた。その他、大蔵省や防衛庁等の官庁文書、また三井や三菱、古河などの企業関係の資料の調査・収集を行ない、若干の重要資料を入手したが、本格的には次年度に収集する。海外資料については、欧米・東南アジアの資料情報の収集を行ない、10月30日〜11月3日にはシンガポ-ル・マレ-シアの現地調査も、自費で行なった。この結果、オランダ・イギリス・マレ-シア・タイなどに多数の日本語文書や現地側記録が残されていることが確認できた。以上のような資料調査・収集と併行して、資料分析・関連研究のサ-ベイを実施し、(1)インドシナ通貨金融政策、(2)三井鉱山の南方鉱業資源獲得。(3)日蘭会商、(4)インドシナ資源獲得政策、(5)台湾総督府の南方進出政策、(6)南方全体の通貨・為替統制の実態、などについて検討した。この結果、日本戦争経済運営における正貨枠の規定性、資源獲得をめぐる日本企業間競争の激しさ、南方進出をめぐる日本側各政策主体の思惑の相違、経済支配方式における地域的特徴などが明らかとなってきた。このほか、関係者への聞き取り調査も実施した。なお、柴田善雅、小田部雄次・小池聖一・安達宏昭氏から恒常的協力を得ている。
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