研究課題/領域番号 |
02301091
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
疋田 康行 立教大学, 経済学部, 助教授 (70147924)
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研究分担者 |
花井 俊介 財団法人三井文庫, 専任研究員 (70212149)
鈴木 邦夫 電気通信大学, 電気通信学部・人文社会科学系列, 助教授 (50132783)
小林 英夫 駒沢大学, 経済学部, 教授 (80052546)
倉沢 愛子 摂南大学, 国際言語文化学部, 教授 (00203274)
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キーワード | 戦時経済 / 太平洋戦争 / 企業進出 / 物資動員 / 資金統制 / 東南アジア / 南方 |
研究概要 |
本年度も引続き資料収集に重点を置く予定であったが、代表者の疋田が経営学科長に任命された上に、7月以降、学部学科のカリキュラム改変・自己評価システム設計に大巾に時間がとられることとなり、かつ、鈴木も土地制度史学会全国大会共通論題報告者となり、ともにこのプロジェクトには十分な時間をとりえない見通しとなった。このため、本年度の重点作業を、(1)昨年度収集したマイクロフィルム資料(外務省資料ー小林が既に入手していた分も含む)と新たに発売された『美濃部洋次文書』(戦時経済統制の中枢であった企画院資料を大量に含むもの、今年度立教大学図書館にて購入、マイクロフィルム)からのプリント、(2)倉沢が既に収集したが未整理であった外国語資料の整理および複写、(3)資料情報の収集、の3点に置くこととした。マイクロ資料のプリントは学生アルバイトと研究協力者に、外国語資料の整理・複写は研究協力者に依頼した。これらの複写資料は、研究打合会ごとに内容を報告した。 資料情報は、資料所蔵機関に所属する協力者を中心に集めたが、かなりの部分が未整理状態であることが判明した。例えば、三井文庫には、三井物産の各支店、営業所別の成績概評などがあり、研究成果報告書にはその一部を利用した論文を掲載した。また、外交史料館にも、公開資料内に旧海軍省からの移管文書リストがあるのに、その一部しか公開されていない。恐らく旧陸軍省からの移管文書もあるものと推測される。こうした未整理資料の整理・公開には時間がかかると思われる。 入手資料に基づく分析の結果、南方武力進出方針は財閥には1941年11月の御前会議決定後間もなく伝わり財閥は戦後での商権確保を目標に当面の営業損失を甘受しつつ積極的に南方進出を図ったこと、特殊会社間にも開戦前から南方進出をめぐる競争が激しくこの統合は官庁間権限争いもからんで失敗に終ったことなどが明らかになった。
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