研究課題/領域番号 |
02301111
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石田 忠男 広島大学, 教育学部, 助教授 (90034818)
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研究分担者 |
小山 正孝 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (30186837)
國本 景亀 高知大学, 教育学部, 助教授 (10144792)
岩崎 秀樹 広島大学, 教育学部, 助教授 (50116539)
重松 敬一 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (40116281)
岩合 一男 広島大学, 教育学部, 教授 (40036629)
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キーワード | 表現体系 / 表現様式 / 現実的表現 / 操作的表現 / 図的表現 / 言語的表現 / 記号的表現 |
研究概要 |
本年度における本研究の目的は、数学教育における表現様式を「現実的表現」「操作的表現」「図的表現」「言語的表現」「記号的表現」の5つへと分類した石田の表現体系に基づいて、これらの各々の表現様式の記号論的特性、認知論的特性を解明することと、算数・数学的概念の形成におけるそれらの表現様式の役割を実証的に検討していくことにある。 前者については、5つの表現様式を次のように特色づけた。 ○現実的表現ーー自然的、具体的で動的な無契的表現 ○操作的表現ーー人工的、半具体的で動的な無契的表現 ○図的表現ーーー静的な半有契的表現 ○言語的表現ーー日常語文法に従う有契的表現 ○記号的表現ーー数学語文法に従う有契的表現 さらに操作的表現については、半具体性、能記ー所記性、シグナルーシンボル性、動的操作性などの特性を、図的表現ついては、形相性、類似性、視覚性、統合性、非伝達性などの特性を、また記号的表現については、規約性、配置性、縮合性、対象性などの特性を指摘した。 後者については、図形概念の形成にかかわる表現様式の役割を解明することを主たる目的とした、調査と実験授業とを行った。 調査は、小学校4、5、6年と中学校1、2年とを対象として実施した。平行四辺形、台形、ひし形の判別、性質、包含関係などの理解の発達を調査し、共通な発達経路や困難点などを導出しようとするものである。授業は、新しく作った「操作シ-ト」と呼ばれる教具の有効性を実証しようとするもので、小学校4年を対象として行った。予想に近い結果が得られているが、これらの調査や授業の結果の本格的な分析や検討は、次年度に行うこととした。
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