研究分担者 |
柏 太郎 九州大学, 理学部, 助手 (30128003)
松岡 武夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90022722)
米谷 民明 東京大学, 教養学部, 助教授 (10091521)
木村 忠彦 千葉大学, 理学部, 教授 (70009603)
石川 健三 北海道大学, 理学部, 教授 (90159690)
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研究概要 |
本研究計画2年次の実績は,11項に報告されているように大きな進展を見た。こゝではその概要を数項に類別して報告する。 1.弦の場の理論は地味だが着実に研究が進められている。畑らは,原幾何学的場の理論に於いて一般座標不変性の存在を初めて証明した。畑は実に,京都グル-プ流の閉弦場理論に内在するJacobi恒等式のアノマリ-の構造を明らかにした。坂本らは,オ-ビフォルド上の弦の理論の可能な一般のクラスを明らかにした。九後らは,弦の場の理論に基づき,弦に特有な標的空間双対性を論じ,それが本質的には弦の場の理論のゲ-ジ対称性に含まれることを示した。小林らは開ボリン弦の理論に於けるBRS不変なnonーplanar primitive演算子を議論した。 2.弦理論の素粒子統一模型への応用という観点からは,松岡らは,超対称弦に示唆されるE_6統一模型に於いて,世代数や,ニュ-トリノ,charginoおよびneutralinoの質量スペクトラムがどのようなものが可能か詳細に研究した。大坪らはZ_NないしZ_N×Z_Nオ-ビフォルド模型に於いて,湯川結合定数の構造および対称性を破るWilson lineの可能なとり方について詳細な分析を与えた。一方岡田らは,より現象論的サイドから超対称標準模型に於いての中性Higgs粒子がどの位の質量で現われるかについて繰り込み群等の方法を用いて計算した。 3.重力理論の側面からの研究として,菅本らは,4次元の位相幾何学的Einstein重力理論,selfーdual重力理論,を分析した。中西らは,波らの演算子型式解の構成法を2次元量子重力理論に適用し,素な場および複合演算子のWightman関数を求めることに成功した。米谷は,近年の2次元量子重力理論の非摂動解に対応する正準型式定式化の可能性を検討した。林らは,ト-ションのある時空においてスピンを持つ粒子がどのような運動をするかを一般的に論じた。
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