研究課題/領域番号 |
02302029
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
土 隆一 静岡大学, 理学部, 教授 (60021929)
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研究分担者 |
浜田 隆士 東京大学, 教養部, 教授 (60012366)
木村 達明 洗足学園大学, 教授 (40014849)
水谷 伸治郎 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022538)
市川 浩一郎 大阪工業大学, 教授 (70046738)
黒田 吉益 信州大学, 理学部, 教授 (20015530)
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キーワード | 浮遊性微化石 / 熱帯海洋気候イベント / 日本海 / 基盤地殻 / 付加帯 / オフィオライト / 堆積岩岩石学 / 段丘 |
研究概要 |
日本列島の基盤地殻は(1)古生代末ートリアス紀、(2)ジュラ紀中期ー白亜紀最初期、(3)白亜紀後期ー新生代前半に内側から外側へと順次付加形成された。(1)は東アジアの原型形成と同時的付加であり、(2)はフィリピンからシホテアリンにわたる広域付加帯の一環である。(2)(3)の転換期は太平洋・イザナギプレ-ト境界の拡大方向の転機(M20/21付近)と対応する。 中・古生界で、特筆すべき点は、オフィオライトの問題である。古生界では三郡帯、舞鶴帯、ひだ外縁帯に存在し、中生界では御荷鉾帯、神古居潭帯の中に点々と存在する。その中には、しばしば海嶺において形成されたであろうとされている角閃石岩があるが、この角閃石のD/H測定の結果、中生界のものと古生界のものが全く異なっていることが明らかにされた。当時の海水によるのか、構造運動の違いによるのか今後の問題である。 日本列島の構造発達史を解明する基礎となる堆積学デ-タ、特に堆積岩岩石学における各種分析値の調査を行なった。その結果、新しい分析手法および機器の開発を反映して化学組成や元素組成のデ-タが急速に増加していることが明らかになった。 新第三紀については浮遊性微化石により高精度で地層の年代が得られるようになった結果、16Maの熱帯海洋気候イベント、14Ma以降の冷温化は環太平洋地域で同時に起こっていること、15Maの日本海の拡大、3Maのパナマ地峡成立に伴う西南日本の温暖化など太平洋地域との関連のもとに日本の発達史を考えられるようになった。 第四紀については、高知県の海成段丘から、第四紀末以来ほぼ等速な地殻運動の傾向がつづいているが、完新世の段丘面も3段に細分され、そこでも同様な傾向が示されることが明らかとなった。
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