研究課題/領域番号 |
02302029
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
土 隆一 静岡大学, 理学部, 教授 (60021929)
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研究分担者 |
中島 二一 奈良大学, 社会学部, 助教授 (00207789)
荒牧 重雄 北海道大学, 理学部, 教授 (60012895)
水谷 伸治郎 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022538)
市川 浩一郎 大阪工業大学, 教授 (70046738)
黒田 吉益 信州大学, 理学部, 教授 (20015530)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | IGCP / アジア大陸 / 付加帯 / 盾状地 / 熱帯海洋気候イベント / 日本海 / 珪藻土層 / 変動地形 |
研究概要 |
近年の新しい地球観に基づいて日本の地質構造を検討し、太平洋という観点から日本列島の地史に新しい視点を加えようとするのが本研究の目的で、これは同時に日本のIGCP(国際地質対比計画)研究の成果でもある。 新第三紀より前の日本はアジア大陸東縁の一部であったが、その基盤は1)アジア大陸の原型形成と同時期の古生代ー三畳紀のもの、2)フィリピンからシホテアリンにわたる広域付加帯であるジュラ紀ー白亜紀初期のもの、3)白亜紀後期ー新生代初期のもの、と順次外側へ付加されたものであることがわかってきた。一方、日本列島の地盤を構成している花こう岩は大量の水がその形成に関与する点で大陸盾状地の花こう岩とは本質的に異なるように見える。日本列島に残存する大陸片の研究やゴンドワナ大陸の研究も大きく進歩し、堆積相デ-タ収集と解析法が鋭意検討されている。 新第三紀に西南日本の回転によって日本海が開き日本島弧が誕生したのは15Maであるが、16Maにはすでに大陸から離れはじめており、当時日本を含む太平洋全域に熱帯海洋気候イベントがひろがり、インドネシア、南米大陸の大きな地殻変動も同じ頃と思われる。 それに引続く冷温化は南極氷床を拡大させ、東部太平洋の湧昇流と広く珪藻土層を堆積させた。3Maのパナマ地峡の成立は一時的に日本沿岸の黒潮の勢力を強めた。日本列島はプレ-ト境界に位置しているため、第四紀の多様な変動地形がよくあらわれている。 以上のように大陸と大洋を含めた観点から日本列島の地質構造発達を論ずることができるようになった点は大きな進歩である。
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