研究課題/領域番号 |
02302033
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大谷 栄治 東北大学, 理学部, 助教授 (60136306)
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研究分担者 |
阿部 豊 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助手 (90192468)
丸山 茂徳 東京大学, 教養学部, 助教授 (50111737)
北村 雅夫 京都大学, 理学部, 助教授 (70004489)
瀬野 徹三 東京大学, 地震研究所, 教授 (10216567)
加藤 工 東北大学, 理学部, 助手 (90214379)
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キーワード | 初期地球 / 多圏相互作用 / 始生代 / 中央海嶺玄武岩 / 付加体 / リソスフェア / コマチアイト / シミュレ-ション |
研究概要 |
本総研は、実験的研究、野外調査、シミュレ-ションという3つの手法の研究からなり、それらの結果を融合して初期地球において生じた多圏間の相互作用の実体を解明することを目的としている。本年度においては、以下のような研究が行われた。 実験的研究では、始生代の高温のマントルでの相転移の様式を明らかにし、そこでのスラブとマントル間の密度関係を明らかにした。スラブは、始生代においては、上部マントル下部にまで沈み込めない可能性が高い。また27GPaまでの圧力においてマントル物質と核物質の間の遷移金属元素の分配実験を行い、初期地球における核形成の過程を解明するための基礎的デ-タを得ることができた。 野外調査にもとづく地質学的研究では、始生代、原生代、顕生代に形成された岩石や地層の様々な性質、特に藍閃変成体の時空分布、中央海嶺玄武岩、背弧海盆玄武岩、海洋底変成作用などをグロ-バルな規模でコンパイルする作業を進めた。既存の記載が不十分なグリ-ンランドやカナダの始生代の付加体については、直接調査を行った。これによって39億年前に既に海洋リソスフェアと大陸リソスフェアの分離が起きており、現在とあまりかわらないプレ-ト運動が存在し、また海洋リソスフェアは玄武岩からなり、コマチアイトは海底火山を構成していたらしいことが明らかになった。 初期地球の形成と進化に関するシミュレ-ションについては、初期地球の融解にともなう分別作用によって形成される層構造が対流や微惑星の衝突によって攪伴される程度をシミュレ-ションによって見積ることができた。
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