研究課題
総合研究(A)
平成2・3年度からの検討事項としての、舶用レーダー波浪観測装置の各構成機器のハード面、観測データ表示法、データ記録処理法、及び波浪解析ソフト面での改善をほぼ終えた。本波浪観測・解析システムを用いて波浪観測・解析を行なう上で、十分に満足できる状態に本波浪観測・解析システムを総合的に開発・改善しえた。開発した舶用レーダー浪観測・解析システムは、平成2年度から計2カ年半の運用状況から、十分な耐久性と観測・解析精度を持つ事が確認された。平成4年度では、兵庫県三原郡西淡町の神戸商船大学附属淡路海洋実験実習場において延べ10日間の観測を実施した。この内、平成4年8月8〜9日に台風10号が九州北部から山陰、北陸を通過した際と、平成5年2月23〜24日、低気圧通過後の季節風吹き出しの際、風速10m/s以上の西寄りの強い風が吹き波浪が大きく発達し、波浪観測・解析に適した状況が観測された。平成2〜4年の研究年度に、風が強く吹き波浪が発達したすべての観測について、本波浪解析ソフトで用いた2次元波浪解析法と、方向別1次元波浪解析法とによる波浪解析を行い、両解析法による解析結果は比較検討した。2次元波浪解析法は、安定したそして十分な精度でもって解析できた。一方、方向別1次元波浪解析法は、解析精度や解析結果の安定性において2次元波浪解析法より劣る。しかし、この方向別1次元波浪解析法を本波浪解析システムの2次元波浪解析領域の自動選定の手法に用いられる事が確認された。今後本波浪解析ソフト内にこの方向別1次元波浪解析法を組み込む予定である。
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