研究分担者 |
青木 繁 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016436)
宮 健三 東京大学, 工学部, 教授 (30011191)
加川 幸雄 岡山大学, 工学部, 教授 (10019200)
阿部 博之 東北大学, 工学部, 教授 (00005266)
大路 清嗣 大阪大学, 工学部, 教授 (20028939)
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研究概要 |
工学,理学,医学の分野において,逆問題研究が注目を集めてきている.逆問題解析には種々の共通点があるため,特定の問題に対する逆問題解析の発展が,逆問題研究全体の進展に繋がる.本研究では,材料力学の分野で最も簡単で,かつ最近いくつかの展開が得られている,ポテンシャル場の問題を主対象に,これに関連する逆問題を扱う数値・実験ハイブリッド型逆解析手法に関する検討を行い,以下の結果を得た. 1.場の観測結果をもとに,場の支配微分方程式を推定する方法を提案し,その有効性を数値的に明らかにした. 2.接触部の変位と力の分布を同時に推定するための関数近似法を提案し,その有効性を確かめた. 3.直流電気ポテンシャル法を用いて,微小試験片におけるき裂を測定する方法を検討し,その有効性を実験的に確かめた.また,交流電気ポテンシャル法により応力拡大係数を計測する方法を提案した. 4.バルクハウゼン雑音を用いることにより,欠陥の大きさや位置を同定することが可能であることを示した. 5.渦電流探傷のために電流ベクトルポテンシャルTを用いた数値解析方法を開発し,解析結果が測定値とよく一致することを示した. 6.ガルバニック腐食による電流密度および電気ポテンシャル分布の推定に対して,いくつかの適切化手法を適用した.ファジ-クラスタリング理論の適用を行い,その有効性を数値的に示した. 7.波動方程式によって支配される分布定数系に加えられる外力を同定する問題に対し,境界要素法に基づく逆解析手法を適用し,手法の有効性を数値例により示した. 8.非定常熱伝導問題に対する解析手法を構築した.フ-リエ級数近似法とスプライン関数近似法を比較し,後者のほうが良好な結果を与えることを明らかにした. 9.き裂による電流場,温度場の特異性解析を行い,温度場に基づく非破壊検査手法を検討した.
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