研究分担者 |
谷 泰弘 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80143527)
大石 進 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (70094258)
堤 正臣 東京農工大学, 工学部, 教授 (90108217)
樋口 俊郎 東京大学, 工学部, 教授 (10111569)
古川 勇二 東京都立大学, 工学部, 教授 (10087190)
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研究概要 |
平成3年度は,微小な環境変化に対する超精密工作機械の変形のシミュレ-ション,および微小変形の補正制御を行うことを目的として,以下の項目について研究を行った。 (1)極微小環境変化が超精密工作機械に与える影響の解析 恒温室内における微小な温度変化による超精密工作機械の変形特性について,実験的解析および有限要素法による解析を行った。具体的には超精密高速主軸を恒温室内に設置し,主軸周辺の空気温度の変化および主軸の軸方向の変形を測定し,微小な温度変化による主軸の変形特性を解析した。また,主軸の有限要素モデルを作成し,熱伝導解析および熱変形解析を行い,主軸における温度分布およびひずみ分布の計算を行った。この結果,主軸のカッタボディにおける熱伝達特性が主軸回転数により変化することが明らかになった。 (2)極微小環境変化のもとにおける超精密工作機械の変形制御 超精密工作機械の極微小変形を補正するための制御方法について検討を行った。すなわち,リニアスケ-ルを用いたフィ-ドバック制御により,超精密送り運動を制御する方法を提案し,超精密加工における送り速度および位置決め精度の向上を図るとともに,微小変形を補正する手法を検討した。また,工作機械の微小変形の補正に必要となるマイクロアクチュエ-タの開発を行った。 (3)次世代超精密工作機械の設計と制御方法に関する検討 平成2年度および平成3年度の研究成果に基づいて,次世代の超精密工作機械の基本構成および制御方法に関して討議を行った。この結果,微小な温度変化に対する工作機械の変形特性の改善,微小変形を補正するための計測装置,アクチュエ-タ,およびインテリジェント補正制御方法論の重要性が認識された。
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