研究概要 |
1.平行平板間のクエット・ポアズイユ乱流のDNSを行なって,壁乱流に対する平均剪断の影響を調べた.また,プラントル数が0.71および0.025の2次元ポアズイユ乱流の温度場のDNSを行ない,各種乱流統計量,それらの輸送方程式に基づく収支などのデ-タベ-スを構築し,さらに乱流の構造解析を行なった.(笠木) 2.平板境界層の既存のDNSの結果を,計算スキ-ムと共に詳細に検討した.その結果,多くの非線形項が省略されていて,厳密なDNSではないことを明らかにした.また,各種スペクトル法(ガラ-キン,タウ,選点法)の特徴と計算誤差を,バ-ガ-ス方程式を基にして調べ,デ-タベ-ス構築の基礎的指針を得た.(長野) 3.壁乱流のDNSのより汎用的な方法として,Influence Matrix(IM)法の2次元チャネル乱流および矩形管内流への適用を検討した.後者については,ポアッソン方程式の解法に,半導体拡張記憶を併用した行列対角化法を採用することにし,アルゴリズムの検討と基本的なプログラムの作成を行なった.(堀内) 4.一様等方性乱流中のパッシブ温度場のDNSとして,スペクトル法により直接数値計算を行なった.その結果,プラントル数が0.71と0.20の場合について,乱流運動エネルギ-,スカラ-変動強度,エネルギ-スペクトル,各種長さスケ-ル等に関するデ-タベ-スを作成した.化学反応を伴う一様等方性乱流のDNSに関しては,M^2展開を用いた圧縮性乱流のスペクトル法による解析手法の開発を終了した.(宮内) 5.正方形管内のDNSについて差分法による計算を実施している.これまで,SGSモデルを用いたLESによって2次流れの発生機構を解明し,DNSの全段階としての検討が終了した.2次元チャネル乱流のDNSについては,差分法による低レイノルズ数流れコ-ドを作成中である.(三宅)
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